投資商品で資産を運用してお金を増やそう。

こんなふうに言われると、「資産運用なんて一部のお金持ちのものでしょ」「自分にはそんな莫大な資産なんてないしな」と思うかもしれません。

しかし資産運用はできることから始めて、無理なく続けるだけでも十分。それでも10年後20年後に手元に残るお金の額は大きく変わってきます。

以下では資産運用を始めるまでの手順を4つのステップに分けて説明していきましょう。

INDEX
  1. 「万が一」のための資金を確保する
  2. 「リスク資産」への投資金額を設定する
  3. どんなリスク資産に投資するかを決める
  4. 余ったお金を「低リスク資産」に投資する
  5. まとめ

「万が一」のための資金を確保する

城壁を守る兵士

資産運用を始める際に、最初に準備するのは万が一に備えた生活防衛資金です。

資産運用にはリスクがつきものです。

めったにないことですが、投資したお金が半分近くまで減ってしまう可能性もないわけではありません。

仮に資産のすべてを資産運用に回していたら、病気や怪我、事故、あるいは会社の倒産などによる失業など、思わぬ出費があったときにどうしようもなくなってしまいます。

だから生活防衛資金の確保が必要なのです。

問題は「いくら用意すればいいのか」です。もちろん「いくらあれば安心か」というのは人それぞれなので、正解はありません。

しかしおおむね生活費の3〜6ヶ月分のお金があれば十分です。

なぜなら、人生において「突然まとまったお金が必要になる」という状況は、そこまで多くないからです。

例えばマイホームやマイカーの購入。これらは少なくとも数百万円、高ければ数千万円から1億円以上する場合もあります。

これを突然欲しくなるという人は少ないはずです。たいていの人はきちんと計画を立て、その計画に沿ってお金を準備していきます。

結婚や子どもの学費などにもまとまったお金が必要になります。

特に子どもの学費は高額で、4年製私立大学の学費は平均で年間100万円程度必要とされていますから、4年間で400万円程度を用意しなければなりません。

ただこれも子どもの年齢から逆算して準備しておけばいい話。ある日突然「明日学費が400万円必要なんだ」なんてことにはなりません。

こうやって考えていくと、「突然まとまったお金が必要になる」という状況は病気や怪我、事故といった自分ではコントロールできない場面くらいなのです。

しかも国民健康保険に加入していれば高額療養費制度や高額医療費貸付制度が利用できますから、一時的に高額になった医療費もあとから返ってくる場合があります(※)。

したがって、資産運用を始める前に準備するべき生活防衛資金は「生活費の3〜6ヶ月分」でOKなのです。

それ以上の余剰資金は運用に回して、効率よく増やしていきましょう。

参考記事

(※)高額療養費制度や高額医療費貸付制度については百害あって一利なし!「医療保険」を買ってはいけない3つの理由を参照してください。

「リスク資産」への投資金額を設定する

電卓と現金

生活防衛資金が準備できたら、次は「リスク資産」への投資金額を設定するステップです。

前述したように資産運用は多かれ少なかれリスクと隣り合わせです。

すでに数千万円以上のお金が準備できている人は別として、それ以外の人が資産運用をする場合はハイリスク・ハイリターンの資産と、ローリスク・ローリターンの資産のバランスを考える必要があります。

そこでポイントになるのが「リスク資産」と「低リスク資産」の振り分けです。

「リスク資産」と「低リスク資産」の違い
  • リスク資産:年利がおおよそ5%〜のもの
  • 低リスク資産:年利が〜2%のもの

ステップ2では、このうちリスク資産にいくら投資をするのかを考えます。

まずは「1年でこれだけなら損をしても大丈夫」という金額を決めます。次にその金額に3〜5をかけて、リスク資産への投資金額を決めます。

損をしてもいい金額は人それぞれです。収入や年齢はもちろん、配偶者の有無や実家に住んでいるのかどうか、貯金額や職業にも左右されます。

自分の状況をよく考えて「○○万円なら、最悪なくなっても生活には支障が出ない」という金額を決めてみましょう。

損をしてもいい金額に3〜5をかけるのは、資産運用による損失はたいていの場合投資した金額の3分の1から5分の1に収まるからです。

具体的な数字をもとに考えてみます。

リスク資産への投資金額を決めよう
  • 「1年でこれだけなら損をしても大丈夫」という金額=40万円
  • 投資した金額×1/3〜1/5=40万円
  • 投資した金額=40万円×3〜5=120万円〜200万円

損をしてもいい金額が20万円なら20万円×3〜5で、年間60〜100万円をリスク資産に投資できることになります。30万円なら90〜150万円です。

損をしてもいい金額にかける3〜5の数字は、運用する資産のリスクによって変わります。

リスクが高いなら損をする可能性も高いから3になりますし(最悪30%くらいの確率で損をする)、リスクが低めなら5(最悪20%くらいの確率で損をする)になる、というわけです。

どんなリスク資産に投資するかを決める

資産運用の案内

リスク資産に投資する金額が決まったら、次はどんなリスク資産に投資をするかを決めます。

  • 不動産
  • 先物
  • 仮想通貨
  • FX

リスク資産には色々な選択肢があります。

しかし投資の知識と経験が浅く、かつ比較的リスクの低い運用をしたいのであれば、投資信託がおすすめです。

投資信託の魅力については【投資の基礎シリーズ】初めての投資におすすめなのは「投資信託」などでも解説していますが、特筆するべきは分散性です。

例えば株式投資では、1つの企業に投資をしていて、その企業が倒産した場合、株式は文字通り単なる紙切れになります。

しかし投資信託の場合は、もともと色々な企業の株式を組み合わせたり、色々な国の債券を組み合わせたりして、資産を分散させています(※)。

したがってそのなかの企業が1社倒産したからといって、投資信託自体の価値がゼロになる可能性は低いのです。

また株式や債券の組み合わせを、プロの投資家が自分の代わりにやってくれるというのも大きな魅力です。

知識も経験もない初心者にとって、資産運用のリスクを自分でコントロールするのはほぼ不可能です。

その点、プロの投資家であれば安心です(ただし投資家にもよる)。

以上の点からリスク資産に投資できる金額は、基本的には投資信託に回すのが賢明と言えるでしょう。

余ったお金を「低リスク資産」に投資する

安全をとるか、リスクをとるか

リスク資産に投資をしたあとにまだお金が余るようなら、損をする確率が低い低リスク資産で運用をしていきます。

低リスク資産の代表格とも言われるのが、以下の2つです。

国際的な信用度が高い国の国債 オーストラリア、カナダ、デンマーク、香港などの国債。詳しくは海外投資をするなら最初に見ておくべき2つの指標を参照してください。
MRF(マネー・リザーブ・ファンド) 普通預金の証券会社版。利回りはゼロに等しいが、投資信託の一種なので万が一証券会社が破綻しても信託銀行により資産が守られるのが最大の魅力。

国債にはランクがあり、世界最大手の信用格付け会社S&P Global Ratings(スタンダード&プアーズ・レーティングス)、Moody’s(ムーディーズ)などによって「国債信用格付」が作成されています。

実は日本はこの格付けで最高ランクを獲得しているわけではありません。

一般的に言われる「日本の国債を買っておけば絶対安心」とは言えないのです。

したがって、国債で資産を運用する場合はオーストラリア、カナダ、デンマーク、香港などのような格付け上位の国債を選ぶことをおすすめします。

MRFは上表の通り「普通預金の証券会社版」。

破綻すると1,000万円までしか保障してくれない銀行預金とは違い、MRFは投資信託なので証券会社が破綻しても信託銀行が資産を守ってくれるというのが大きな魅力です。

ただ、銀行のように公共料金の引き落としに対応していなかったり、ATMが少なかったりとデメリットはあります。

また短期国債などの元本保証のついた商品で運用されているものの、あくまで投資信託なので元本割れのリスクがゼロというわけではありません。

そのため銀行預金をMRFの代わりに利用するのも十分アリ。ただしその場合は1人1行1,000万円を上限にしましょう。

まとめ

【投資の基礎シリーズ05】老後資金作りは「複利投資」一択!単利投資との違いや選ぶべき投資商品をご紹介!で詳しく解説していますが、資産運用の効果を最大化するには、なるべく早い段階で運用をスタートさせる必要があります。

だからとにもかくにも、まずは資産運用を始めること。これが大切なのです。今回紹介した4つのステップは、そのためのガイドとしてきっと役に立つはずです。

お金の窓口では「資産運用を始める」からもう一歩踏み込んで、「投資信託の選び方」「もっと効率的にお金を増やす方法」についても解説しています。

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