シリーズ第3弾は、初心者が投資を始める前に知っておきたいことです。
第2弾の記事で、年金対策には様々な手段があることをご確認いただきました。もしかすると「さっそく何かを始めてみよう!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
興味をもとに色々始めてみたり、調べたり、話を聞いてみることはとても大切なことです。
しかしながら、それ以上に大切なこととして、ブレない運用方針を持つこととご案内しました。
ブレない運用方針はどのように作るのか、
それは、
- 目的を明確にすること
- 目的と現状に見合った物事の判断基準を持つこと
- 運用に関する基礎知識を身につけること
この3つを意識することです。
この3つを身に着けることなくと投資に取り組むことは、投資の中身がどうあれギャンブルに近いものとなります。
また、せっかく投資をスタートしても、「株価が下がってしまった」とか「今やってる▲▲よりも◎◎の方が儲かるときいた」などで、投資も勉強も継続できずに気がつけば年月がたつばかり…という方がほとんどです。
そういったことを防ぎ、初心者が資産運用を成功させるためにはこの3つを体得することが不可欠です。
この記事では、特にその中でも重要である
- 目的を明確にすること
- 目的と現状に見合った物事の判断基準を持つこと
の2つを解説していきます。
大切なことを記載しておりますので、何度も読み返して必ず身につけてくださいね。
投資を始める前に目的を明確にしよう
投資を始める前に大切なことは、まず目的を明確にすることです。
たとえ話をすると、「今日は打ち合わせで品川駅から東京駅に行く」となったら、「電車」か「タクシー」かという選択肢がでてきます。
言い換えると、目的地が明確だから手段が明確になります。「打ち合わせ場所がどこにあるかわからないけど、とりあえず電車に乗るか」とはならないはずです。
このようにたとえると非常に簡単なお話にきこえますが、投資においては、みなさんこの目的があいまいなまま手段ばかり悩んでいます。
「◯◯社の株が狙い目って聞いたけど、どうなんだろう・・・?」
「今、ビットコインが上昇しているらしい・・・」
と言った具合にです。
頭の中が手段でいっぱいになる前に、まずは明確に目的を設定する必要があります。
人によりいろいろな目的があるかと思いますが、このシリーズでは多くの方にとっての目的であり課題でもある
「投資初心者が老後に向けた資産形成をすること」
こちらを目的としてお話させていただきます。
そんなタイトルにも入っているくらい当たり前の話を・・・と思われるかもしれませんが、それは重要性を分かっていない証拠です。
「老後に向けた資産形成」
と、迷った時に口に出すだけでも、驚くほど欲望や怪しい投資話に振り回されることが無くなります。
もちろん中には「私は短期でどーーーんと稼ぎたいんだ!」という方もいるかも知れませんが、老後の資産は「あったらいいな」というお金ではなく、「絶対に必要なお金」となります。
まずは必要なお金をつくることをマスターしたうえで、更にステップアップしていかれることをおすすめします。
間違っても、老後の資産形成の予算を削ってまで、ギャンブルに身を投じる事はないようにしましょう。
目的と現状に見合った物事の判断基準を持とう
初心者が老後に向けた資産形成を行う
目的地と現在地を明確にしたら、次は手段を選ぶための判断基準を持つ事が必要です。
老後の資産形成は「長期で安定的なもの」だけ考えよう!
断言しますが、老後の資産形成は「長期で安定的なリターンを狙う投資案件」で行うべきです。
それ以外はすべて切り捨てください。
なぜ、長期なのか?それは期間とリスクの高さは比例するからです。
わかりやすく言うと、1日で老後の不足資金を補うには「宝くじ」のようなギャンブルめいたものしか選択肢にでてきません。一方で仮に100年間かけていいのであれば、何のリスクもなくできてしまいます。
上記は極端な例を示しましたが、「不安だから、早く何とかしよう」と焦ってしまったり、「これが当たったら来年◎倍…」と利益に振り回されるほど、知らない間にリスクを背負ってしまうのです。
老後の資金は必ず必要なものになりますので、「できませんでした」では困ると思います。
ローリスク・ハイリターンは存在しない
ところで、この話をすると、「リスクが低くて美味しい投資ってないんですかね…??」という疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
金融庁の年金2000万円不足の発表以降、様々な投資セミナーが行われていたり、投資話が持ち込まれています。
「◎◎社の未公開株を特別に買うことができる」「どこどこの鉱山の開発事業があって・・・」「リスクの低いFX投資ツールがあって・・・」など。
断言してもいいです。ローリスクでハイリターンな投資などこの世にありません。
絶対にありません。
仮に存在した場合、世界中から申込み殺到しますから、需要と供給のバランスが一瞬で崩れ、すぐに値上がりします。すると、高いお金を出さないと買えなくなるため、結局ローリターンになってしまうのです。うまく出来ていますね 笑
また、ハイリスク案件は初心者が手を出すべきではありませんし、年金対策に向かないのは繰り返しお伝えしているとおりです。
なので、ありもしない話を探し続けて悩むのではなく、時間をかけてしっかりと資産を着実に形成していく
まずはこの心構えを持っていただきたいと思います。
具体的には、最低10年以上の期間を見据えておく必要があります。
老後の年金対策は、長期で安定的な資産形成を行う。
こちらをまず、覚えておいて下さい。
余談:投資と投機(ギャンブル)の違いをおさえていますか?
ちなみに皆様は投資と投機の違いは何でしょうか。投機という言葉を聞き慣れない方は、ここではギャンブルと置き換えていいかもしれません。
例えば、株・債権・不動産・投資信託・仮想通貨・競馬・カジノ・宝くじ…など。これらを投機と投資に分類するとどのように分けられるかお分かりでしょうか?
これらを理解するには、両者の違いを抑えておかなくてはいけません。
投機と投資の違い、それは「再現性があるか」というところです。
良い株を選ぶスキルを持っていれば、成功を何度も繰り返すことは可能です。一方で、宝くじなど、狙って当てに行けないようなものは投機と呼ばれます。
資産(お金を生み出すもの)にお金を投げると書いて「投資」、機会(可能性)にお金を投げるとかいて投機であることから、感じそのままの意味となっております。
ちなみに、「競馬は?ある程度研究もできるよ?」という意見もありますが、こちらは残念ながら投機です。
詳しくはまたの機会に譲りますが、投資というものは理論上は参加した全員が勝つことが可能な仕組みになっています。一方で投機(ギャンブル)は勝つ人がいれば必ず負ける人がいる仕組みなのです。
「理論上全員が勝つことが出来て、再現性がある」
これが投資の特徴であり、これらを満たすもので資産形成を行う必要があります。
その中でも株・債権・不動産・(※投資信託)は伝統的資産と呼ばれており、王道の投資先となっております。
※投資信託は株や債券などの組み合わせであるので、()としている。
運用に関する基礎知識を身につけよう
ここまでで、目的を明確にし、その目的に見合った案件の判断基準のお話をしてきました。
老後の資産形成のために、長期目線で安定的な投資を行う。
この目的と方針が決まれば、次は投資の運用に関する基礎知識を身につける段階です。
同じ商品であっても、目的にあった商品であっても、運用によって結果は左右されます。
細かい運用手法は必要ありませんので、「これだけは知っておこう」という手法を次回からはお話していきます。
【次回記事】
【老後の資産形成特集04】初心者にぴったり!投資のリスクを抑える「分散投資」のすすめ
ご覧いただきありがとうございました。
本記事を含めた老後の資産形成特集は、一通り目を通すだけで投資初心者でも老後の資産形成に必要な知識が身につくコンテンツを集めたものです。はじめからでも、途中からでも学習いただけます。