
「キャッシュレスでお得になると思ったら使い過ぎていた」そんなことってありませんか?
キャッシュレス決済は使いこなせば非常にお得な制度ですが、使い方を間違えると家計に大きな打撃を与えかねません。
今回はキャッシュレス決済で使い過ぎてしまう原因を解説したうえでその対策をまとめてみました。正しくキャッシュレスを利用して、お得に活用しましょう。
あなたがキャッシュレスで使い過ぎてしまった4つの原因
まずはキャッシュレス決済により使い過ぎてしまう原因を解説します。なぜ自分が使い過ぎてしまったのか、理由を把握しておかないとこの後解説する対策を打つことが出来ません。使い過ぎてしまった原因を見つけるところから始めましょう。
1.手元のお金が減らず、買い物をした感覚が無い
まず挙げられるのは、キャッシュレス決済だと買い物をした感覚が無いために、使い過ぎてしまうケースです。当然ながらキャッシュレス決済をすると現金が財布から減ることはありません。カードにチャージしている残高、もしくはカード会社の立て替えによって買い物が成立しています。
それゆえに「手元に現金が残っている=お金を使っていない」と錯覚してしまい、買い物をしていないと思い込んでしまいます。そのため知らないうちに使い過ぎてしまい、気が付いたら多額の請求が来ていた、という状況になっているのです。
2.キャッシュレスで支払うお金と現金の価値が一緒だと認識していない
キャッシュレスで支払うお金の価値は現金よりも軽いと見てしまうことも原因の一つです。
現金払いに比べるとキャッシュレスは簡単に支払いが済んでしまうため、ついお金の価値が軽く見えてしまいます。さらに現金であれば手元に用意しないといけませんが、キャッシュレスは利用額の範囲内であれば大きな買い物も気軽に出来てしまいます。
このような特性からキャッシュレスで支払うお金をつい軽く見てしまい、結果として使い過ぎに繋がるのです。
3.支出額が把握できなくなる
キャッシュレスは支出額の把握が難しくなります。現金の場合はATMから引き出した金額から財布の中にある金額を差し引けば、その期間内の利用額が把握できます。しかしキャッシュレスの場合は基本的に利用額を見ることはできません。
最近はスマホアプリなどによって支出額を確認しやすくなっています。それでも実際には複数のキャッシュレスツールを使っているために確認しきれない人が大半のため、自分でもいくら利用したのか、把握できていないのです。
4.ポイント還元に釣られて、不要なものを買ってしまう
数ある原因の中で最も多いのは、各キャッシュレスサービスで実施しているポイント還元キャンペーンに釣られて使い過ぎてしまうことです。
2019年はPayPayをはじめ、様々なキャッシュレス事業者がキャンペーンによって多額のポイント還元を実施しました。ポイント還元によってお得に買い物をした人がいる反面、キャンペーンに釣られて不要なものまで爆買いした人も少なくありません。
当然ですが不要なものをどれだけお得に買ったとしても、それは無駄遣いでしかありません。無駄な買い物を大量にしてしまったために、後日多額の請求が来てしまう事態に陥ってしまうのです。
キャッシュレスで使い過ぎを防ぐ6つの対策
キャッシュレスで使い過ぎを防ぐための対策を解説します。
「そもそも使わない」というのも一つの方法ですが、キャッシュレスによりポイント還元がある以上、節約のためにこれを利用しない手はありません。キャッシュレスを上手に使って節約することを目標に、これから紹介する対策を実践してみて下さい。
1.キャッシュレス手段を2,3程度に限定する
まずキャッシュレス手段を2,3個程度に絞り込みましょう。絞り込む理由は、支出額を把握しやすくするためです。
多数のサービスを利用していると、「どのサービスでいくら決済したのか」支出額を把握するのが大変になります。しかし2,3程度に絞り込むことで、管理しやすくなります。支出額を管理できていれば、使い過ぎてしまうことはありませんし、これからの買い物計画も立てられるようになります。
2.デビットカードなど、先払い式のものを使用
キャッシュレス手段をデビットカードや電子マネーなど、先払い式のツールを使用するのも対策の一つです。クレジットカードなどの後払い方式のものは、残高が減らないという特性上、使い過ぎてしまいます。
しかしデビットカードなどの先払い式であれば、チャージして残高を確認するという工程があるため、お金の減り具合が分かるようになります。そのため現金に近い感覚で支払いをすることが可能です。また使い過ぎてしまうと買い物ができなくなることもあるため、必然的に使い過ぎないように意識します。
3.キャッシュレス払いにする項目を決める
また項目毎にキャッシュレス払いをするかどうか決めるのも一つの方法です。例えば食費は現金払い、光熱費はクレカ払い、という感じです。
決める時の基準は、限度額があるような項目をキャッシュレス、際限なく使えてしまいそうな項目は現金払い、という感じです。
- キャッシュレス:光熱費、ガソリン代、交通費(航空券、電車賃等)、スマホ代
- 現金払い:食費、雑貨代、衣類、家具・家電
上のような感じでキャッシュレスによって使い過ぎそうな項目と使い過ぎないであろう項目を振り分けて、状況に応じて使います。
例えば食費や家具・家電などはセールなどによって不要だったとしても買ってしまうリスクがあります。一方でガソリン代は車の燃料タンクに入る分しか入れることはできません。またスマホ代も月々の支払いは一定額であることが多いでしょう。
このようにすべてキャッシュレス払いにするのではなく、項目ごとに活用することで、使い過ぎを防ぐことが出来ます。
4.キャッシュレスで使う金額の予算を決める
キャッシュレスで使う金額の予算を決めることも、使い過ぎを防ぐ手段です。先述で紹介したデビットカードなど先払い式のツールに自分で決めた予算をチャージして、その予算内でだけキャッシュレス決済を活用する方法です。チャージした予算内でどんな買い物をするか予定を立てれば、使い過ぎることはありません。
例えば還元率0.5%のデビットカードに毎月3万円チャージすれば、翌月に150円分が還元されます。たかが150円と思ってしまいますが、毎月牛乳1本もらえることを考えると、使って損は無い金額ではないでしょうか。
デビットカードではなくクレジットカードでも、その月の利用額を適宜確認することで実施できます。還元率もデビットカードよりも優れていることが多いので、使える人はこちらがオススメです。ただしクレジットカードは知らないうちに予算オーバーしていた、なんてこともあるので気を付けましょう。
5.家計簿アプリと連動させて利用額を把握する
キャッシュレスの利用額をしっかり把握するためにも、家計簿アプリと連動しましょう。
家計簿アプリを活用するメリットは以下の通りです。
- 複数のキャッシュレスツールの利用額を一括で把握できる
- 購入したものを自動でカテゴリー分けしてくれる
家計簿アプリに連携すればあなたがどんな買い物をしたのか、一目で把握できるようになります。把握できることで使い過ぎの防止にもつながります。
オススメの家計簿アプリはMoney Forwardです。Money Forwardであれば電子マネーやクレジットカードを始め、約2700もの金融機関と連携することが出来ます。
家計簿アプリを活用して、キャッシュレスの使い過ぎを防ぎましょう。
6.欲しいものがあったとしても2,3日は検討する
また欲しいものがあった時は、最低でも2,3日は買わずに検討する癖を付けましょう。クレジットカードの場合は特に、高額商品であってもすぐに購入できてしまいます。そのため買った後に「よく考えたら必要無かったな…」といったことがあり得ます。
不要なものはどれだけ安くても買わない、これは現金払い・キャッシュレスに関係なく買い物の基本です。本当に必要なものかどうかを見極めるためにも、どれだけ「欲しい」と思ったものでも2-3日は検討する時間を設けましょう。
キャッシュレスで使い過ぎてしまったときにやるべきこと
ここからはキャッシュレス決済で使い過ぎてしまった人に向けて解説します。キャッシュレスで使い過ぎてしまうと、購入した翌月以降に多額の請求が来ます。しかし判断を誤ってしまうと、借金地獄に追われてしまうこともあり得るので、適切に対処しましょう。
1.リボ払いで月々の支払いを軽くするのはNG
多額の請求が来た時に負担を軽くしたいからという理由でリボ払いを選ばれる方もいるかもしれません。しかしこれは絶対にやってはいけません。
確かにリボ払いを活用すれば、月々数千円程度の支払いで済みます。しかしリボ払いの金利は年率15%と、非常に高額です。さらに支払い年数が長期に及ぶと、金利が膨れ上がって元の請求額の何倍にもなってしまいます。
これ以上余計な出費を防ぐためにも、リボ払いを活用せずに支払いを済ませましょう。
2.その月の支出を最低限に抑え、翌月の請求に備える
多額の支払いに備えるために、まずは支出を最低限に抑えるところから始めましょう。家計簿をチェックして削れる項目がないか、チェックします。生活に不要なものは買わずに支出を抑え、返済に備えます。
キャッシュレスで使い過ぎてしまった際の最優先事項は多額請求の支払いです。多少生活を切り詰めてでも支払いに備えましょう。
3.獲得したポイントを支払いに充てる
獲得したポイントを支払いに充てるのも負担を軽くする方法の一つです。キャッシュレスのキャンペーンに使われてしまったのであれば、逆に獲得したポイントを使って支払いに充ててしまいましょう。
請求が多額になるとポイントもまとまって入ります。それを支払いに充てれば、かなり負担が少なくなります。
ポイントによっては支払いに充てられないこともあるかもしれません。そういう時は本来現金で買う日用品などをポイント払いに変えて、少しでも多くの現金を手元に残しておきましょう。
4.フリマアプリで不要なものを売る
キャッシュレスで爆買いした商品の中に使わなくなったものっていくつかありますよね?不要なものはメルカリなどのフリマアプリを活用して売ってしまいましょう。
購入してからさほど日にちが経っていないのであれば、購入額は下回りますがある程度の金額で売れるはずです。フリマアプリで売ってお金を作って、支払いに備えましょう。
5.【悪用厳禁】最終手段は滞納して、翌月に支払いをする
ここまで多額の支払いに備える方法を解説しましたが、それでもどうしてもお金を作れない、という場合があると思います。そういう時はカード会社に申し訳ないですが、滞納するしかないです。
二度と使ってはいけない最終手段ですが、更に翌月に繰り越せば返せる確率は上がるでしょう。延滞手数料は掛かってしまいますが、それでもリボ払いの手数料よりも安く済みます。
また一度くらいであれば信用情報にもそこまでの影響はありません。ただし延滞したからにはキッチリ返済しましょうね。
まとめ:キャッシュレスの使い過ぎは現金よりも価値を軽く見ているから
この記事のまとめに入ります。キャッシュレスで使い過ぎた原因を把握したうえで、今後は適切にキャッシュレスを使いこなしましょう。
- 手元のお金が減らないため、買い物をした感じがしなくなる
- クレジットカードで支払うお金を現金よりも軽く見てしまう
- キャッシュレスの支出額が把握できなくなる
- ポイント還元に釣られて不要な物を購入してしまう
- 使用するキャッシュレスを2,3くらいに絞る
- デビットカード等の先払い式カードを使用する
- キャッシュレスで使う金額の予算を決める
- キャッシュレスで支払う項目を決める
- 家計簿アプリと連動させる
- 欲しいものがあっても2-3日は検討する
- リボ払いは使わないこと
- 支出を切り詰めて支払いに備える
- 獲得したポイントを支払いに充てる
- フリマアプリで不要なものを売ってお金を作る
- 滞納して更に翌月に繰り越して支払いをする
キャッシュレス払いはポイント還元があるので、お得に買い物ができるように思えます。その反面で“お得さ”に釣られてしまうと、不要なものばかり買い物してしまい、余計な出費が増えるだけです。例え安い買い物ができたとしても、それがあなたにとって不要なものであれば無駄遣いです。
しかしキャッシュレスを適切に使いこなせば、ポイント還元によって節約に繋がります。あなたにとって必要なものだけを安く買う、これがキャッシュレスを使いこなすために知っておくべきことです。
今後キャッシュレスで多額の支払いが来ないようにするために、目先のお得さに釣られて不要な買い物はしないように気を付けましょうね。