
HSBC香港の銀行口座は海外オフショア投資の第一歩として非常に利便性が高いですが、思いがけないトラブルが発生することがあります。
やはり海外の銀行口座であるために日本国内とは使い勝手が違いますし、困ったときにすぐに銀行の窓口に行くことができないことでさらに混乱してしまうケースも珍しくありません。
- HSBC香港で口座を開設する手続きに関するトラブル
- HSBC香港で口座を使い始めてすぐの時期のトラブル
- 長期間の利用によって発生するトラブル
このように各ステージごとに思いがけない落とし穴がありますので、常に注意を心掛ける必要があるのです。
しかし、投資や資産運用の分野では成功体験がシェアされることが多い一方で、失敗談やトラブルについては情報共有が不十分なのが現状でしょう。
ひとつひとつ失敗を重ねて経験値を上げていくことも投資家にとっては必要ではありますが、できれば出来るだけ失敗せずに投資に集中したいというのが本音でしょう。
HSBC香港の銀行口座でありがちなトラブルを全てまとめて紹介させていただきます。
HSBC香港の口座が開設できない!ありがちな拒否理由とは?
HSBC香港の銀行口座にありがちな失敗談の多くが、銀行口座の開設までのステップで発生しているトラブルです。
ただ単に銀行口座を開設するだけだからと安易な気持ちでHSBC香港の窓口に行かれた個人投資家の中には、口座開設の目的を達成できずに日本に帰国した事例も数多くあります。
マネーロンダリング対策が世界的な潮流で、HSBC香港に関しても口座開設の難易度が少しずつ上昇しているのも事実ですので、事前にしっかりとした準備が必要です。
まずはHSBC香港の口座開設までのステップで発生しがちなトラブルをまとめてご紹介し、もちろんそれぞれの解決方法も合わせて解説します。
なお、香港での投資をはじめるためには必ずHSBC香港に口座を持つ必要があると勘違いしている方がいますが、決してHSBC香港だけが香港投資ではありません。
香港投資に関する基礎知識を得たい方は、こちらの記事(「香港で投資を始めるための基礎知識を分かりやすく詳細解説」)も参考に、最善の投資方法を検討するようにしてください。
HSBC香港トラブル1:英語ができずスタッフとの会話が成立しない
HSBC香港の口座開設のステップで最も多いトラブルと言えば、やはり窓口での英語でのコミュニケーションの問題です。
インターネットバンキングなどの操作画面や、投資に関する注意事項などの項目が全て英語で書かれているため、HSBC香港では英語が理解できることを顧客としての最低条件にしています。
支店まで通訳者を連れて訪れたとしても、英語力のチェック段階では当然のことながら通訳に助けてもらうことは出来ません。
実際にインターネットバンキングなどを利用する場面ではGoogle翻訳などを活用できますので、ほとんど不便を感じることがありませんが、HSBC香港の定める基準ですのでクリアするしかありません。
HSBC香港の窓口でのやりとりで最も重要なのが口座開設理由についての説明をするところです。ここでは英語力だけではなく、実際に銀行口座をどのように使用する予定なのかが審査の項目となります。
例えば「香港で投資信託を買いたい」という目的を伝えた場合であっても、そのまま納得してくれるケースは珍しく「どうして日本ではダメなのですか?」や「証券会社に行かれたらどうですか?」などと何度かの会話のキャッチボールが必要になります。
わざと難しい表現をして英語力を試されることや、香港人の独特な英語の発音に悩まされることも珍しくありません。
このようなやりとりを英語でスムーズに行えることが、HSBC香港で銀行口座を開設するためには最低条件となります。
英語に不安のある方は、窓口でのコミュニケーションが行えるようにしっかりと想定問答集を作成するなどの事前準備をすることが重要です。
もしご自身で準備することが難しいと感じられる場合には、HSBC香港の口座開設について長年の知識と経験を持っているサポートサービスを提供する会社があります。
せっかく香港に渡航したのに口座を作れずに帰国するというようなトラブルを避けるためには、多少の出費が発生しますがサポートサービスの利用が好ましいです。
事前にHSBC香港の窓口でのやりとりを想定したシミュレーションなどの丁寧な指導がありますので、落ち着いて窓口に行き、行員との会話をすることができるようになります。
HSBC香港トラブル2:口座開設理由を伝えたら拒否されてしまった
英語でのコミュニケーションができ、口座開設理由についても伝えられたのにも関わらず、口座開設を拒否されてしまうケースがあります。
実は、香港内のいくつかの支店では、そもそも日本人投資家への新規の口座開設を全て拒否する方針である店舗があります。
もちろん、ずっと同じような対応を続けるわけではないのですが、一定期間は日本人の口座開設を認めないというような支店の方針が採用されるケースがあるのです。
運悪くこのようなタイミングで窓口を訪れてしまった場合には、英語でのコミュニケーションや口座開設理由とは関係なく、最初から断るつもりで窓口対応が行われます。
わざわざ飛行機に乗って香港を訪れたのにも関わらず、国籍を理由に口座開設を拒否されてしまっては非常に悔しいです。日本人だけではなく、その他の国を対象として同じような措置がとられることも珍しくありません。
HSBC香港の各支店でこのような措置がとられる理由はいくつか考えられます。
- 日本人の新規口座開設が集中してしまった
- 日本人の口座保有者によるトラブルが多発した
このような理由が発生することによって、支店として日本人投資家を警戒する必要性があると判断した場合に「日本人お断り」といった措置が講じられることになります。
ひとつの支店で断られたからといって、HSBC香港での口座開設を諦めてしまうことは非常にもったいないです。
口座開設を拒否されると精神的にダメージを受けることは理解できますが、口座開設拒否に関する情報はHSBC香港の支店間では共有されていませんので、すぐに別の支店に足を運んで再挑戦しましょう。
HSBC香港には口座開設を拒否するべき顧客の情報をまとめたブラックリストが存在しています。実際に窓口のスタッフから、ブラックリストに掲載されていることを明言されて、口座を開設できなかったという体験談もあります。
このブラックリストについて、口座開設を拒否された人物の情報が共有されていると勘違いされている方がいます。
しかし、現実のHSBC香港のブラックリストは、過去に開設した口座を凍結させてしまった顧客を中心にリスト化したものです。口座開設拒否の履歴を掲載したものではありませんので安心してください。
そのときどきで日本人が口座が開きやすい支店の情報については、やはりサポートサービスが多くの情報を持っています。
これほど苦労してまで本当にHSBC香港の口座を開設する必要があるのだろうかという気持ちになった方は、HSBC香港の活用で実現できることをまとめた記事(「HSBC香港のステップアップ活用術!ゼロから始めて上級者へ!」)を参考に、長期的な視点で口座開設の必要性について検討するようにしてください。
HSBC香港トラブル3:必要書類に不備があり開設が出来なかった
香港に限らず金融機関では、必要書類を全て揃えられない顧客には絶対に口座を開設させることはありません。
しかし、それぞれの投資家ごとに揃えることが可能な書類が異なり、揃えられない書類については代替可能な書類を準備することが必要です。
さまざまな情報を調べてみるとHSBC香港の口座開設時に一般的に必要な書類については十分な情報が得られますが、例外的なケースに対応する方法についての記述はほとんどありません。
一般的な情報としてHSBC香港での口座開設時の必要書類は、以下の通りです。
- パスポート
- 国際運転免許証
- マイナンバーカード
例えば「国際免許証が必要である」との説明がある一方で、免許を持っていない方がとるべき代替手段についての解説がないのです。
例外的なケースへの対応方法を中心として、必要書類に関するトラブルをご紹介します。
免許を保有していないため国際免許証が用意できない
HSBC香港での口座開設のための必要書類のひとつに国際免許証が含まれている理由は、現住所を証明するためです。
原付や普通自動車免許を含め日本の運転免許証を持っている方であれば、運転免許センターで手続きをすることで簡単に国際免許証を取得することができます。
国際免許証は、運転免許証の更新などを行う試験場や運転免許センターで申請を行うことで取得することが出来ます。
申請時に必要な書類などは、以下の通りです。
- 運転免許証
- 証明写真(縦5センチ×横4センチ)
- パスポート
- 古い国際免許証(ある場合)
- 発行手数料(2,350円)
しかし、そもそも日本の免許証を一切持っていない方は、当然のことながら国際免許を取得することは不可能です。
このため国際免許証を用意できない場合には、住民票を取得して香港の日本領事館で英訳するという方法がありますが、住民票の英訳による住所証明には意外な落とし穴があります。
住民票を香港の日本領事館で英語訳することの落とし穴
香港の中環にある日本領事館に住民票を持ち込むと、たしかに英語訳の手続きを行ってくれます。そして、HSBC香港でも住所を確認する書類として英訳版の住民票を受領してくれます。
しかし、この日本領事館での住民票の英訳作業には約2週間かかります。
このため、短期間の香港滞在中にHSBC香港で口座を開設したいという方にとっては、2週間後に発行される住民票の英訳版を待つことはできません。
ただし、この日本領事館での英訳の依頼は、本人からの申請に限定されていないため、サポートサービスなどを利用して代理申請をしてもらうことが可能です。
国際免許証を用意することができないものの、サポートサービスに住民票の英訳の代理申請を依頼したくないという方のために、ちょっとした裏ワザをご紹介します。
香港のオンライン証券会社BOOM証券は、日本から郵送による手続きだけで口座を開設することができます。そして、BOOM証券からは取引履歴などを記載した取引報告書が日本の住所に対して送られてきます。
国際免許証や住民票を用意する理由は、あくまで現住所の証明ですから、BOOM証券から届いた取引証明書にも住所が記載されていますので、代用書類として活用することができるのです。
香港の入国日を示したいけど入国スタンプがない
氏名や生年月日などの個人情報が記載されているパスポートは、口座開設の必要書類のなかでも最も重要な書類です。
パスポートを受け取ったHSBC香港の行員は、個人情報に加えて、申請者の入国日についても必ず確認を行います。
しかし、香港へと入国後にパスポートの全ページをチェックしてみても、どこにも香港に入国したことを示すスタンプが押されていませんので、焦ってしまうことがあります。
実は香港では2013年から入国者のパスポートにスタンプを押さずに、入国日が記載された小さな紙きれを挟む方式に変更されています。
この紙切れは「ランディングスリップ」と呼ばれる入国スタンプと同等の価値がある立派な書類です。
つまり、HSBC香港に口座を開設するために窓口を訪れる際には必ず、パスポートだけではなくランディングスリップも合わせて持参するようにしてください。
マイナンバーカードが書類として提出できないケース
日本国民のお金の移動などを一元的に管理するマイナンバーカードは、海外である香港での銀行口座開設においても必要な書類のひとつです。
パスポートや国際運転免許証と比べて、忘れやすいのがマイナンバーカードですので、日本を発つ際には必ず持参していることを再確認するようにしましょう。
しかし、マイナンバーカードが提出書類として認められないケースがあります。
具体的には香港で半年以上の滞在が認められるビザを保有されている方の場合には、マイナンバーカードではなく、香港での納税者番号の提出が求められます。
HSBC香港をフル活用できない間違った利用方法とは?
HSBC香港の口座を利用するなかでも、申請を忘れていたり、利用方法を間違えていたり、不便な状態のままで使用し続けているケースがあります。
口座開設から数か月の間に多くの投資家が経験するHSBC香港の間違った利用方法をしっかりと確認しておきましょう。
不便なままで利用を続けていると徐々に利用機会が少なくなってしまい、結果的には口座が凍結されてしまうというケースも珍しくありません。長期間の口座放置による凍結については、最後のセクションで詳しく解説します。
では、HSBC香港の初心者が間違いがちな利用方法と、その対応策についてご紹介しますので、もっと便利にHSBC香港を使えるように環境を整えてください。
HSBC香港トラブル4:日本のATMではHSBC香港の口座から引き出しができない
HSBC香港の普通口座には、国際ブランドである銀聯(ぎんれい)カードのデビットカード決済機能が付帯しています。
このため、日本を含む世界中の国々に設置されているATMから自由に現金を引き出すことができますので、非常に便利です。
銀聯カードは中国の中央銀行が主導しているクレジットカードの国際ブランドです。英語ではUnionPayと表記されており、世界の6大国際ブランドのひとつとして世界的なクレジットカードの決済ネットワークを作っています。
みなさんが日常的に利用している日本のコンビニや飲食店などにもUnionPayでの決済に対応した店舗が多くありますので、既にご存じの方も多いことでしょう。
しかし、HSBC香港に口座を開設して資金を預け入れたのにも関わらず、日本のATMから現金の引き出しが出来なくて困っているという方がいます。
HSBC香港は、香港居住者の利用を前提としてサービスを構築している銀行であるため、香港の外のATMで現金を引き出すためには事前に申請を行うことが必要なのです。
香港外のATMでの現金引き出しの申請は、インターネットバンキングで行います。
HSBC香港のウェブサイトにアクセスしてログイン
↓
詳細情報管理(Maintain My Details)を開く
↓
海外ATMの引き出し制限(Set Overseas ATM Withdrawal Limit)をクリック
↓
制限を解除する口座にチェックを入れて、修正する(Modify)
この引き出し制限の解除の申請は一度きりで、申請後はずっと日本を含む世界中のATMからHSBC香港の預金を引き出すことができます。
HSBC香港トラブル5:事前申請したのに日本のATMから引き出すことができない
預金残高が十分にあり、香港外での引き出し制限を解除したのにもかかわらず、日本のATMで現金を引き出せないというケースがあります。
このようなケースの原因はいくつも考えられますが、過去に頻繁に発生しているトラブルについて詳しく解説します。
ATMカードは新規発行後4か月以内に使わないと止まる
新規発行されたばかりのHSBC香港のキャッシュカードは、4か月以内に少なくとも一度は使用することが必要です。カードが手元に届いたら、すぐにATMから少額の現金を引き出すようにしましょう。
このようにHSBC香港のキャッシュカードを初めて使用することで「キャッシュカードのアクティベート(有効化)」が完了し、実際にキャッシュカードとしての利用がスタートます。
もし引き出しをせずに4か月が経過してカードが停止してしまった場合には、カードの再発行を申請する必要があります。
カードの再発行手続きは、専用フォームに記入したドキュメントの郵送によって行います。
HSBC香港のフォームダウンロードセンターにアクセスします
https://www.business.hsbc.com.hk/en-gb/form-download-centre/other-forms
↓
一般管理フォーム(General Administration Form)を開きます
↓
フォーム番号(OF004)の以下の書類をダウンロードして記入します。
ATM Card / Business Debit Card Services Amendment Form
↓
必要事項を入力してからプリントアウトします
↓
口座開設時に登録した署名(サイン)を手書きします
↓
HSBC香港へ郵送します
宛名 The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
住所 P.O. Box 72677, Kowloon Central Post Office, Kowloon,Hong Kong SAR
電話番号 (852) 2233 3000
※香港には郵便番号がありません。
HSBC香港に書類が到着してから数週間で、新しいキャッシュカードが届きます
キャッシュカードの利用停止は口座凍結とは異なりますが、カードやインターネットバンキングなどを長期間に渡って使用せずに放置すると最終的には口座凍結となりますので、ご注意ください。
口座凍結については後ろの項(「HSBC香港トラブル10:口座凍結!HSBC香港の口座が使えない」)で詳しく解説しています。
また、長期間にわたってキャッシュカードを使用しなかったために利用停止になったり、有効期限が切れて新しいカードが届いた場合にアクティベート方法については、別の項(「HSBC香港トラブル9:キャッシュカードのアクティベートできない」)で詳しく解説しています。
香港ドル建ての預金口座に預け入れがないと引き出せない
HSBC香港の銀行口座は、全12種類の通貨を預け入れることが可能なマルチカレンシー口座です。
為替相場の変動によるリスクを下げたり、頻繁に使用する通貨建てでの預金を行うなどの目的で活用することができる非常に便利な仕組みです。
各通貨への両替は、インターネットバンキングの操作だけで実行できます。
HSBC香港の口座を開設することで、これらの通貨の預け入れが可能です。
- USD アメリカドル
- JPY 日本円
- EUR ユーロ
- GBP イギリスポンド
- HKD 香港ドル
- SGD シンガポールドル
- RMB 人民元
- THB タイバーツ
- CAD カナダドル
- AUD オーストラリアドル
- NZD ニュージーランドドル
- CHF スイスフラン
(引用元:「HSBC香港のステップアップ活用術!ゼロから始めて上級者へ!」)
ただし、キャッシュカードを使用してATMから現金を引き出す場合には、香港ドルの残高から引き出されるということを忘れてはいけません。
つまり、米ドルや日本円などの香港ドル以外の外貨として口座に預金があったっとしても、香港ドルとしての預け入れが無い場合には、現金を引き出すことができません。
インターネットバンキングによって他の通貨としている預金の一部を香港ドルに両替しておくことで、この問題は解決します。
なお、引き出しを行うATMで引き出し口座番号が選択画面が表示される場合には、末尾が883あるいは888の口座を選択してください。
HSBC香港トラブル6:日本からHSBC香港までの送金手数料を抑えたい
HSBC香港は海外にある銀行口座ですから、日本から入金をする場合には、ご自身の名義の口座であっても国際送金という形になります。
国際送金では、日本の国内銀行間での送金には無い手数料が複数あり、間違った送金方法を選択することによって、大切な運用資金が減ってしまうことになります。
HSBC香港への間違った送金方法とは何かを理解するために、国際送金にかかる手数料について解説します。
国際送金にはどのような手数料がかかるのか
国際送金には大きく分けて5つの手数料が存在しています。
国境を超えて国外の銀行へと資金を移動させる国際送金を行う場合に発生する手数料には、次の5種類があります。
海外送金手数料 | 国際送金を行う送金元の銀行で発生する手数料です。 |
中継銀行手数料 (コルレスチャージ) |
国際送金を行う送金元と送金先の銀行の間で経由する銀行で発生する手数料です。 |
為替手数料 | 送金する通貨と、着金する通貨が異なる場合に発生する両替手数料です。 |
リフティングチャージ | 送金する通貨と、着金する通貨が同じである場合に発生する手数料です。 |
着金手数料 | 国際送金を受ける送金先の銀行で発生する手数料です。 |
このうち、為替手数料とリフティングチャージはどちらか一方しか発生しませんので、1回の送金で発生する手数料は4種類ということになります。
また、HSBC香港への国際送金の場合、着金手数料は入金額の0.25%です。
日本の各銀行では、それぞれ手数料について価格が設定されていますので、頻繁にHSBC香港に国際送金を行う場合には、手数料が安い日本の銀行に口座を開設するなどの工夫が必要です。
また、為替手数料とリフティングチャージについては、どの通貨で送金するべきなのかを検討することによって手数料を引き下げることができます。
つまり、手数料の高い日本の銀行から送金したり、手数料の高い通貨で送金したりすることで、間違った送金手段を選択すると常に高額な手数料が発生してしまうことになりますので注意してください。
日本の主要な銀行の国際送金手数料
日本でも国際送金を行うことが珍しくない社会になってきましたので、各銀行では国際送金にかかる手数料についての情報をウェブサイトなどに公開しています。
主要な銀行の国際送金手数料を確認しておきましょう。
銀行 | 海外送金手数料 | コルレスチャージ | 為替手数料 | リフティングチャージ |
三井住友銀行 | 窓口 7,500円 ネット 3,500円 |
2,500円 | 1ドルあたり1円 | 送金額の0.05% or 2,500円 |
三菱UFJ銀行 | 窓口 7,500円 ネット 3,000円 |
3,000円 | 送金額の0.05% or 2,500円 |
送金額の0.05% or 2,500円 |
みずほ銀行 | 5,500円 | 2,500円 | 非公開 | 送金額の0.05% or 2,500円 |
楽天銀行 | 750円 | 1,000円 | 3,000円 | なし |
参考元:
三井住友銀行ウェブサイト「外国送金」
https://www.smbc.co.jp/kojin/otetsuduki/sonota/kaigai/
三菱UFJ銀行ウェブサイト「外為手数料」
https://www.bk.mufg.jp/tesuuryou/gaitame.html
みずほ銀行ウェブサイト「海外送金」
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/direct/about/service/gaikoku_sokin.html
楽天銀行「海外送金>送金手数料」
https://www.rakuten-bank.co.jp/geo/remittance/charge/
HSBC香港を使い続けると、ある日突然に発生するトラブルとは?
HSBC香港の銀行口座を開設してから時間が経つことで発生してしまうトラブルもまた、いくつかのパターンがありますので、まとめて解説いたします。
やっと使い慣れてきたと安心したところで発生するトラブルに対して、慌ててしまう方も多いのですが、それぞれの解決方法もご紹介しますので、落ち着いて対応してください。
HSBC香港トラブル7:インターネットバンキングにログインができない
日本には窓口がないHSBC香港の口座では、インターネットバンキングが中心です。
このため、インターネットバンキングにログインできないことによって、ほぼ全ての機能が使えなくなってしまうので途方に暮れてしまいます。
HSBC香港のインターネットバンキングにログインができなくなってしまうケースと、その対応策や予防方法について詳しく解説します。
パスワードを紛失してログインができない
しばらくログインしていない状態が続くことでパスワードを忘れてしまった場合など、パスワード紛失によってログインができなくなるケースがあります。
一般的なウェブサイトであれば簡単にパスワードの再発行が可能ですが、HSBC香港は個人資産を預かる金融機関であるためセキュリティレベルが高く、郵送による手続きが必要になります。
HSBC香港のパスワードを紛失した場合や、複数回のパスワード入力ミスでログイン不能になった場合には、以下の手順でパスワードの再発行を行います。
ログイン画面にアクセスします
↓
「パスワードを紛失しましたか?(Forgot your password?)」をクリック
↓
パスワード、セカンドパスワード、秘密の質問をそれぞれ入力します
↓
HSBC香港のフォーム&ドキュメントダウンロードにアクセスします
https://www.hsbc.com.hk/ways-to-bank/forms/
↓
以下のフォームをダウンロードします
HSBC Internet Banking Maintenance/Cancellation Request Form [PDF]
↓
記入を終えたフォームをプリントアウトします
↓
口座開設時に登録した署名(サイン)を手書きします
↓
HSBC香港へ郵送します
宛名 The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
住所 P.O. Box 72677, Kowloon Central Post Office, Kowloon,Hong Kong SAR
電話番号 (852) 2233 3000
※香港には郵便番号がありません。
郵送した書類がHSBC香港に到着してから遅くとも1週間以内(通常は3営業日)で、新しいパスワードが承認されてログインが可能になります。
セキュリティデバイスの電池が切れてログインができない
スマホアプリによる認証が主流となってきていますが、安全性を考慮してセキュリティデバイスを使い続けている方は、電池切れに注意が必要です。
デバイスが電池切れや故障により使用不能になった場合には、カスタマーセンターに電話して交換の申請を行います。
カスタマーセンターの電話番号は口座のグレードごとに異なります。
ジェイド (852) 2233 3033
プレミア (852) 2233 3322
アドバンス (852) 2748 8333
その他 (852) 2233 3000
デバイスの交換は、英語で「リプレイスメント セキュリティ デバイス(replacement Security Device)」です。
交換申請から1週間程度で新しいセキュリティデバイスが届きますので、はじめて使用したときと同じくデバイスのアクティベート手続きを行ってください。
なお、インターネットバンキングにログインできる場合には、MyHSBCにログイン後、メッセージセンターにオンラインでメッセージを送ることで、交換の申請を行うことが可能です。
インターネットバンキングの長期間不使用でログインできない
HSBC香港のインターネットバンキングは、セキュリティ対策などの理由によって半年から1年ほどの不使用によって利用停止措置が行われます。
インターネットバンキングが利用停止となった場合には、再登録を行う必要があります。
インターネットバンキングを継続して利用したい場合には、所定のドキュメントを記入の上、HSBC香港に郵送して再登録を行います。
HSBC香港のフォームダウンロードセンターにアクセスします
https://www.hsbc.com.hk/ways-to-bank/forms/
↓
以下のフォームをダウンロードします
Internet Banking/Phone banking/ATM Transaction Limit Revision Request Form
↓
必要事項を入力してからプリントアウトします
↓
口座開設時に登録した署名(サイン)を手書きします
↓
HSBC香港へ郵送します
宛名 The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
住所 P.O. Box 72677, Kowloon Central Post Office, Kowloon,Hong Kong SAR
電話番号 (852) 2233 3000
※香港には郵便番号がありません。
郵送物の到着から1週間以内にインターネットバンキングの再登録が完了して、再び使用することが可能になります。
インターネットバンキングの利用が停止されないための対策としては、数か月に1度は必ずログインするように心掛けることしかありません。
少額であっても投資信託などを購入することによって、価格のチェックなどの目的でログインする習慣をつけることが好ましいです。
HSBC香港トラブル8:キャッシュカード(ATMカード)が使用できない
これまで使用できていたHSBC香港のキャッシュカードが使用できなくなるトラブルも、長期間にわたって口座を利用している方であれば必ず遭遇します。
キャッシュカードの欠損や紛失などの物理的な問題のほか、いくつかの事例がありますので解決方法を含めて解説します。
キャッシュカードを紛失(欠損)して使用できない
HSBC香港のキャッシュカードが物理的に使えなくなるケースとして、紛失や欠損などのトラブルが発生する場合があります。
このような場合には、キャッシュカードの再発行申請を行ってください。
HSBC香港のフォーム&ドキュメントダウンロードにアクセスします
https://www.hsbc.com.hk/ways-to-bank/forms/
↓
以下のフォームをダウンロードします
ATM Card/Business Debit Card Services Amendment Form [PDF]
↓
記入を終えたフォームをプリントアウトします
↓
口座開設時に登録した署名(サイン)を手書きします
↓
HSBC香港へ郵送します
宛名 The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
住所 P.O. Box 72677, Kowloon Central Post Office, Kowloon,Hong Kong SAR
電話番号 (852) 2233 3000
※香港には郵便番号がありません。
↓
郵送物が到着後、1週間程度で新しいキャッシュカードが到着します
※キャッシュカードの再発行にあたっては、発行手数料として50香港ドルが必要です。
また、新しく届いたキャッシュカードは、口座開設時と同じくアクティベート作業を行う必要があります。日本国内でのアクティベート方法については、別の項目(「HSBC香港トラブル9:キャッシュカードのアクティベートできない」)で詳しく解説しています。
キャッシュカードが長期間不使用で停止されて使えない
HSBC香港のキャッシュカードは、やはりセキュリティ対策のために1年以上の不使用によってカードそのものの利用停止措置がとられ、ATMでの現金の引き出しができなくなってしまいます。
この場合にも、紛失(欠損)時と同じ手順で再発行手続きを行う必要があります。
HSBC香港の銀行口座は、主に投資目的で開設される方が多いですから、日常的に使用することが少ないです。このため、1年以上の不使用でカードが停止してしまうケースが発生します。
カードが停止することを避けるために1年ごとに一度、預金の引き出しなどをしなければなりませんが、どうしても忘れてしまうものです。
そこで、毎月や毎年の継続課金(サブスクリプション)で購読している支払いのうちのどれかを、HSBC香港のキャッシュカードのデビット機能で決済することをおすすめします。
- ドメイン(1年更新)の代金
- 新聞や雑誌の購読料
- AmazonプライムやSpotifyの料金
これらのサービスのうちのどれかをHSBC香港のキャッシュカードでの決済にしておくことによって、少なくとも1年に一度は決済が行われますので、キャッシュガード不使用による利用停止を避けることができます。
フォームの記入や郵送、さらにアクティベートなどの作業は、お金と時間を浪費しますので、可能な限り不要な手続きをしなくても済むようにしましょう。
キャッシュカードの有効期限が切れて使えない
HSBC香港のキャッシュカードには有効期限があるため、期限の日付を過ぎてしまったカードは使用することができません。
キャッシュカードは自動更新で新しいカードが届く仕組みになっていますので、引っ越しなどで住所が変更になった場合には、必ずHSBC香港でも住所変更の手続きを行うようにしましょう。
インターネットバンキングの「個人情報および住所変更Change Personal Information and Address」から簡単に手続きが行えます。
HSBC香港トラブル9:キャッシュカードのアクティベートできない
HSBC香港のキャッシュカードを再発行したり、有効期限が切れて新しいカードが発行された場合には、新しいキャッシュカードをアクティベートする必要があります。
初回のカードのアクティベートは香港で行ったため、日本国内でのアクティベート方法が分からずに諦めてしまう方がいます。
日本国内でHSBC香港のキャッシュカードは国内の多くのATMでの引き出しに対応していますが、アクティベートに対応しているATMは限定されています。
日本国内でアクティベートする場合には、セブンイレブンに設置されているATMを使用して、少額で結構ですので現金の引き出しを行ってください。
再発行時にはカードのPINコード(パスワード)は変更されていませんので、以前と同様のPINコードか、あるいは再発行時に申請したPINコードを入力します。
なお、前の項目で既に解説した通り、新しく発行されたキャッシュカードは4か月以上の間、アクティベートをせずに放置すると利用停止となりますのでご注意ください。
HSBC香港トラブル10:口座凍結!HSBC香港の口座が使えない
HSBC香港の口座を使用しないままで2年間(24か月間)が経過すると、口座そのものが凍結されて使用できなくなってしまいます。
- キャッシュカードの未アクティベート 4か月
- インターネットバンキングの不使用 半年間
- キャッシュカードの不使用 1年間
- HSBC香港の口座の不使用 2年間
それぞれの機能が段階的に利用停止されていき、最終的に口座を2年間ずっと使用していなければ凍結されてしまうのです。
口座凍結が行われた場合の復旧作業は非常に面倒で、香港にある支店の窓口を訪れて再利用開始の手続きを行わなければなりません。
ただし、支店ごとの判断になりますが、再利用開始が認められないケースもあります。
再利用開始が認められずに口座を閉じざるを得ない状態となってしまった場合には、HSBC香港内で共有されている顧客のブラックリストに登録されるため、新たに口座を開設することも認められません。
HSBC香港の口座開設時にサポートサービスを利用しておくと、口座凍結という最悪の事態に対しても復旧のために最大限の努力をしてくれます。ただし、業者選びを間違うとアフターケアが無い場合も多々ありますので、ご注意ください。
サポートサービス選びにお困りの際は、当サイト「お金の窓口」にご相談ください。
HSBC香港の口座開設と利用でありがちなトラブルと解決法まとめ
HSBC香港の銀行口座に関するトラブルについて、過去に発生したケースと対策法をまとめて解説させていただきました。
海外の銀行口座ということで国内では発生しないトラブルが多々あるのが現実ですが、HSBC香港のカスタマーサポートは充実しているため、適切な手順で手続きを行うことで、ほとんどのトラブルはすぐに解決することができます。
トラブルの内容によっては電話での問い合わせが必要となり、英語での会話に不安を感じられることもあるかもしれませんので、やはりサポートサービスの活用については開設時から検討されることをおすすめします。
なお、このところHSBC香港の銀行口座を持っている日本人をターゲットとして「こちらのサイトにアクセスしてPINコードを入力してください」などのメールが届くフィッシング詐欺が横行していますので、ご注意ください。
トラブルへの対応を見ても分かる通り、HSBC香港では万全のセキュリティ対策を講じているため、公式のインターネットバンキングやATM以外でPINコードの入力を求めるようなことは絶対にありません。
さまざまなトラブルを上手く避けながら、HSBC香港の銀行口座をフル活用するようにしてください。