投資信託は、手軽に分散投資をすることが出来、少額から購入することが出来るため金融商品の中で非常に人気の高い商品です。

投資信託の残高は、投資信託協会によると220兆円を超えています。

参考:https://www.toushin.or.jp/statistics/statistics/data/

多くの投資家に利用されている投資信託ですが、投資信託がここまで普及した大きな要因は、銀行で投資信託が買えるようになったからです。

証券会社だけでなく身近な銀行で投資信託を購入出来るようになり、投資信託は一気に普及しました。しかし、銀行で投資信託を購入することはおすすめ出来ません。

なぜ銀行で投資信託を購入してはいけないのかについて元銀行員の立場から分かりやすく説明します。

INDEX
  1. 銀行員の評価体系
  2. 銀行員は商品知識がない!
  3. 銀行員の投資信託販売テクニック
  4. 銀行員は手数料の高い投資信託を売りたい!
  5. まとめ

銀行員の評価体系

銀行員の評価の厳しさを示す写真

銀行で投資信託を購入してはいけない理由の1つ目は、銀行員の評価体系です。

銀行員の評価はずばり数字(販売実績)です。銀行では、どんなに顧客に親身になって喜ばれても数字をあげなければ評価されることはありません。

逆にどんなに顧客を不幸にしても数字をあげることが出来れば銀行からは評価されます。

ではなぜ銀行員は銀行からの評価を気にするのでしょうか?

銀行員が銀行からの評価を気にするのは、銀行員は役職によって待遇に天と地ほどの差があるからです。

例えば、入行してから多くの銀行員が目指す支店長代理と呼ばれる役職があります。平社員の頃の年収は600万円程度ですが、支店長代理になればメガバンクの場合、年収は1,000万円を超えます。

しかし、入行からストレートで支店長代理になることが出来るのは、同期の半分程度です。ストレートで支店長代理になれないと、その後は、優秀な後輩たちと争うことになるので支店長代理になることはどんどん難しくなってきます。

支店長代理だけでなく課長になるのも支店長になるのも数字での評価が全てです。役職によって大きな待遇の差があるので多くの銀行員は数字をあげることに一生懸命になるのです。

このような評価体系の中で、銀行員は仕事をしているので、数字をあげることのみに一生懸命になるのです。

顧客のことを真に考えることのない銀行員から投資信託を買いたいと思いますか?

銀行員は商品知識がない!

銀行員が金融商品の商品知識がないことを示す写真

銀行で投資信託を購入してはいけない理由の2つ目は、銀行員は商品知識がないからです。

多くの方は、銀行員は、金融のプロなので投資信託の商品知識やマーケット知識が豊富にあると思われているかも知れません。

しかし多くの銀行員は商品知識もないですし、マーケットの知識もありません。私がいた銀行では、投資信託の新商品が出ると、運用会社から担当者が来て一度勉強会をやる程度でした。

しかもその勉強会も、営業で忙しくて多くの銀行員は参加しません。参加しなくても特に咎められることがないからです。

では、どのように投資信託を販売するかというと、高齢者を狙います。高齢者は、商品知識をしっかり理解出来ない場合が多いからです。

しかも高齢者は、仲良くなれば、なんでも買ってくれる方が多いですし、お金もたくさん持っています。

高齢者とリレーションを取ることで大きな金額の投資信託を購入してくれるので多くの銀行員は、商品の勉強もしないですしマーケットの知識もないのです。

銀行員の投資信託販売テクニック

 

銀行員が高齢者に営業テクニックを使って投資信託を販売していることを示す写真

銀行で投資信託を購入してはいけない理由の3つ目は、銀行員の投資信託の販売テクニックがひどいからです。

先ほどあげた高齢者のケースもそうですが、多くの銀行員の投資信託の販売方法はひどいです。

一例をあげると回転売買です。回転売買とは、顧客が保有している投資信託を売却させて新しい投資信託のを購入させることです。

回転売買は手数料を稼ぐのに最も手っ取り早いテクニックになります。新規のお金で投資信託を購入してもらうのは大変です。

しかし、回転売買の場合、元々ある投資信託を別の投資信託に切り替えるだけなので顧客の警戒感が薄いのです。回転売買を行う度に銀行は手数料を受け取ることが出来ます。

私も、現役の銀行員の時は回転売買をよく行っていました。ひどい時には、1人の顧客に1年間で3回、回転売買を行ったこともあります。

1回あたり3%の手数料をもらうとすると、1億円の原資があった場合、1回あたり300万円の手数料を受け取ることが出来ます。3回やれば900万円です。

銀行はまさに大儲けです。しかし顧客からすると1億円の原資に対して900万円も手数料を取られてしまったら投資信託で利益を出すことはかなり難しくなってしまいます。

今は、回転売買に関して各銀行規制をしているのでここまでひどい例は少ないかも知れません。しかし支店全体で数字が足りない場合など、ここぞという時に回転売買をやっている銀行はまだまだ多いと思います。

回転売買の他にもリスクの高い投資信託をいかにもリスクが低いといって販売することもありますし、法律で禁止されていますが、融資と抱き合わせで投資信託の販売をすることもあります。

融資との抱き合わせは、法律で禁止されていますが、顧客に投資信託を買わないと融資しないと思ってもらえばいいのです。

銀行員は、直接、融資との抱き合わせとは言いませんが、暗に抱き合せを匂わせて投資信託をを販売するのです。

銀行員の投資信託の販売テクニックは本当にひどいです。このような販売方法をしている銀行員から投資信託を購入したいと思う方は少ないと思います。

銀行員は手数料の高い投資信託を売りたい!

銀行員のとって手数料はなによりも大切なことを示す写真

銀行で投資信託を購入してはいけない理由の4つ目は、銀行員は手数料の高い投資信託をを販売したいからです。

ネット証券などでは、投資信託の購入時の手数料が無料の投資信託はたくさんあります。購入時手数料が無料の投資信託のことをノーロード投資信託といいます。

銀行でももちろんノーロード投資信託の取り扱いはあります。しかしほとんどの銀行員はノーロード投資信託を販売しようとしません。

なぜなら販売しても銀行から評価されないからです。

最近は、一部メガバンクを中心に販売手数料を重視しない評価体系を取り入れているところもあります。

一見すると販売手数料を重視しない評価体系は良さそうに見えるかも知れません。しかし実態は、信託報酬を重視する評価体系であることが多いです。

信託報酬とは、投資信託を保有しているとかかるランニングコストのことをいいます。信託報酬を重視すれば銀行に安定的に手数料が入ってくるため信託報酬重視の評価体系に切り替えているのです。

信託報酬は、顧客にとって低い方が良いのはいうまでもありません。しかし銀行員は信託報酬が重視される評価体系の場合、信託報酬が高い投資信託のを販売するようになります。

信託報酬が高い代表的な金融商品がファンドラップです。ファンドラップとは、複数の投資信託のをパッケージにして運用する金融商品です。

最近多くの金融機関が注力して販売している金融商品になります。なぜファンドラップの販売に力を入れているかというとランニングコストが高いからです。通常の投資信託の場合、信託報酬が高いもので2%程度です。

しかしファンドラップのランニングコストは、4%程度かかるものも珍しくありません。

高いランニングコストを受け取ることが出来るので現在ファンドラップは爆発的に売れているのです。

このように購入時手数料が重視される評価体系の場合は、購入時手数料が高いものを販売し、信託報酬が重視される評価体系になれば信託報酬が高い投資信託を販売するのが銀行員なのです。

まとめ

銀行員から投資信託を買ってはいけないまとめの写真

今回は、銀行員から投資信託をを買ってはいけない理由について説明をしました。銀行は証券会社に比べると敷居が低く、相談もしやすいかも知れません。

しかし、実際に投資信託を販売する銀行員の裏側は実に悲惨なのです。この記事を参考に少しでも銀行員から手数料の高い投資信託を購入する方が減ることを心より祈っております。