「人生100年」の時代、私たち日本人は貯蓄から投資への転換が求められています。この流れのなか、資産家に限らず普通のサラリーマンやOLにいたるまで、香港の銀行に口座を開設して資産運用をしている日本人が増えてきています。

これを聞いて、

  • 「えっ、そんなことできるの?」
  • 「気になってたんだけど、どうすれば良いか分からない」

という方も多いと思います。

本記事では人気のあるHSBC香港を例にして、

  • HSBC香港の口座を開設するメリット
  • HSBC香港の口座を開設する方法とポイント

を、実際に香港へ行きHSBC口座を開設した私が解説します。

日本国内での資産運用について不安や限界を感じている方には、次の運用のステップとして役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。

INDEX
  1. HSBC香港の口座を開設するメリット
    1. メリット1:資産の保全ができる
    2. メリット2:資産運用の選択肢が広がる
    3. メリット3:投資商品受け皿として利用できる
    4. メリット4:世界中170カ国のATMを利用できる
    5. メリット5:12種類の通貨を管理できる
    6. メリット6:日本から地理的に近い
    7. メリット7:インターネットバンキングの操作性が優れている
  2. HSBC口座を開設する方法とポイント
    1. 香港に行かないと開設できない
    2. 自力で必要書類を準備してHSBC支店に乗り込むという方法
    3. 一般的なのは現地のサポート会社にお任せする方法
    4. 最大の壁は言葉。あなたは英語か中国語を話せますか?
    5. 運も大事だったりする?支店・担当者次第ってところも
    6. スタンダードチャータード、シティーという選択肢もある
  3. まとめ

HSBC香港の口座を開設するメリット

HSBC香港の口座を開設するメリットを解説する女性

メリット1:資産の保全ができる

HSBC香港の口座を持つメリットは「資産の保全」ができるということです。

投資の格言で「タマゴは1つのカゴに盛るな」という言葉があります。資産を広く分散して、リスクを分散しようという意味です。逆にいうと、資産を一か所に集中しておくのはとてもリスクがあるという意味です。

少子高齢化の影響で負担が増え続ける日本の社会保障費ですが、私たちの将来の年金も含め、『日本の財政は大丈夫?』という不安がありますよね。

そんな中で、日本に資産を集中しておくことはリスクがあります。資産を海外に分散=「資産の保全」を行うことが取るべき対策です。

その一つの手段がHSBC香港を含め、海外の金融機関に口座を開くことです。

HSBC香港は安全なのか?

「日本の銀行と比べてHSBC香港は安全なの?」という疑問を持つかもしれませんね。

信用格付会社のS&Pが発表している最新のデータによると、HSBCの格付けは「A」ランク、日本の3大メガバンクである三菱UFJ・みずほ・三井住友はいずれも「A-(Aマイナス)」ランクに格付けされています(*)。
*S&P Global Rating https://www.spratings.com/en_US/home(自国通貨建て長期格付けを参考)

また、2018年世界の金融機関時価総額ランキングでは、HSBCは6位、邦銀トップの三菱UFJは14位です。

このことからもHSBC香港にお金を預けることはとても安全だということがお分かりいただけるかと思います。

メリット2:資産運用の選択肢が広がる

HSBC香港の口座を通してさまざまな金融商品に投資することができます(*)。
*別途、預金口座に加えて投資口座の申し込みが必要です。

ここでは代表的な金融商品について解説します。

現物株式の売買ができる

HSBC香港の口座から香港、アメリカ、中国A(*)の3つの株式市場の株式投資が可能です。
*中国A・・・上海と深圳株式市場に上場している中国企業を中国元で売買できる市場。A株のほかに中国B株、中国H株がある。

また香港と中国市場に限りますが、IPO(*)にも応募できるので、将来有望株に先行して投資し、大きく資産を伸ばせるチャンスがあります。
*IPO…新規に公開する株を、公開前に購入する投資方法。人気株であれば公開後に大きく株価が上がります。

(余談)株式投資だけであれば、そんなにメリットはない?

iDecoやNISAを利用して米国や中国の個別株、ETF、投資信託に投資できます。それらを利用した方がよっぽど手間がかからず、手数料と税金も節約できます。

そのため、日本では購入できない銘柄を購入する場合や、iDecoとNISAの枠を超えて資産運用をしたい場合にかぎり、HSBC香港で外国株に投資をするメリットがあります。

投資信託

HSBC香港の投資口座から購入できる投資信託は全部で1064種類あります(2019年6月時点)。

ただし、目論見書や運用レポートは英語と中国語しかないので、お気に入りの投資信託を見つけるのは大変です。

銀行窓口で相談してみるとか、投資上級者に相談しながら購入するのが賢明です。

その他

株、投資信託以外にも定期預金、FX、債権などの金融商品を購入できます。

メリット3:投資商品受け皿として利用できる

HSBC香港に口座を開設する方は、他の金融機関が提供するオフショア積立ファンドや保険の加入を検討する方が多いです。世界有数の金融センターである香港には、条件が魅力的な積立ファンド・投資信託などが充実しています。

それらの積立、満期、解約の受け皿としてHSBC香港の口座を利用することができます。

メリット4:世界中170カ国のATMを利用できる

HSBC香港のキャッシュカードはUnionPay(*)と提携しています。そのため世界170カ国に設置されているATMを割安な手数料でお金を引き出すことができます。
*UnionPayとは、銀聯カードとも呼ばれるクレジットカードブランドで、VisaやMasterに並ぶ国際ブランドです。

海外旅行に行く際に、レートの悪い空港の両替所を使う必要がなくなるため、とても経済的です。

メリット5:12種類の通貨を管理できる

HSBC香港の口座では、日本円を含む12種類(*)の通貨を1つの口座で管理できます。銀行によっては通貨ごとに異なる口座扱いとなることが多いですが、HSBC香港は1つの口座という点が魅力です。

また、日本円をそのまま日本円で口座に入金できるのは嬉しいことです。とりあえず日本円で入金して、為替レートが良い時に外貨に両替するなんてことも可能になります。

*取り扱い通貨:日本円、香港ドル、中国元、米国ドル、オーストラリアドル、カナダドル、ユーロ、ニュージーランドドル、イギリスポンド、シンガポールドル、スイスフラン、タイバーツ の計12通貨

メリット6:日本から地理的に近い

香港は日本から地理的に近いというものメリットの一つです。

東京からだと4〜5時間のフライトで香港につきます。早朝の便を利用して日帰りで口座開設なんてことも可能です。

メリット7:インターネットバンキングの操作性が優れている

口座開設後はインターネットバンキングを使って運用をすることになります。

HSBC香港のインターネットバンキングは操作性に優れています。たとえば一度のログインで預金や投資を一覧できるなど、とても使い勝手がいいサイトです。

そのうえ、HSBC香港は他行に比べて口座を開設する方が多いため、操作方法について日本語で解説するサイトが豊富にあります。

後々のトラブルのことを考えると、情報量が圧倒的に充実しているHSBC香港に口座開設をするメリットがあります。

HSBC口座を開設する方法とポイント

HSBC口座を開設する方法とポイントを紹介する女性

色々とメリットが多いHSBC香港の口座ですが、その開設は年々難しくなっていると言われています。ただし、「もう開設できません」という話は聞いていないので、今現在も開設は可能です。

ここでは、口座開設の方法とポイントを解説します。

香港に行かないと開設できない

昔は郵送でも口座開設ができた時代もあったようですが、現在では直接HSBC香港の支店に行かなければできません。

香港旅行のついでに口座開設、口座開設のついでに香港観光をするのがおすすめです。航空券、ホテル代だけでもバカになりません。

自力で必要書類を準備してHSBC支店に乗り込むという方法

「HSBC香港の口座開設」とネット検索すれば多くのサイトがヒットします。そこで必要な書類などのリサーチは可能です。自分で準備して、自力でHSBC香港の支店に乗り込むということもできます。

ただし、口座を開くうえで支店担当者とのコネクションが重要になってきます。自力では開設できないリスクが高くなり、この方法はあまりおすすめできません。

一般的なのは現地のサポート会社にお任せする方法

自力での口座開設に不安がある方は、現地のサポート会社に依頼します。こちらの方法が一般的です。

香港には口座開設や運用をサポートする業者はたくさんあります。サービス内容や価格を比較検討できることは嬉しいことです。

口座開設サポートには個人サポートやツアーなど様々な形態があり、料金もそれぞれ異なります。個人サポートであれば2000香港ドル(約2万8千円)からというのが最近の相場です。

最大の壁は言葉。あなたは英語か中国語を話せますか?

日本人にとってHSBC香港の口座開設で最大の壁は言葉です。

たとえサポート会社に依頼したとしても、英語もしくは中国語(広東語)で会話ができなければなりません。読み書きだけではなく、ちゃんと会話できるかがポイントです。

たとえ必要書類もバッチリ、属性もOKだとしても、行員と全くコミュニケーションを取れなければ開設NGとなります。

サポート会社は必要書類の準備から銀行との事前ネゴをやってくれます。そして銀行の窓口まで連れて行ってくれますが、実際に銀行担当者と会話するのは、あなたです。

サポート担当者に背中を押されて、お別れを告げられる瞬間。いきなり最前線に送り込まれる気分です。外国語に自信のない人はとても不安になります。

口座開設後もずっと外国語を使ってHSBCとお付き合いしますので、言葉からは逃れられません。
*口座開設アフターサポートをしてくれる業者もあります

運も大事だったりする?支店・担当者次第ってところも

残念ながら、すべてが万全に行ったとしても、100%開設可能というわけではありません。

支店や銀行担当者のその時の事情によって開設できないということもあるでしょう。

また、口座開設を断られたデータは銀行側に残ります。口座開設は一発勝負だと思って臨んだほうがいいです。

スタンダードチャータード、シティーという選択肢もある

HSBC香港の口座開設がNGだった場合。異なる選択肢としてスタンダードチャータード(時価総額ランク67位の銀行)、シティー(同8位)といった大手のグローバル銀行で口座開設する方法もあります。

サポート会社で対応してくれるところもありますので、確認しましょう。

まとめ

この記事ではHSBC香港の口座開設についてメリットと開設方法について解説しました。

口座開設はあくまで海外資産運用のスタートです。口座をしっかり維持しながら使い倒すことが大切です。HSBC香港に口座を開くことは資産運用の幅をグッと広げてくれます。これをきっかけに海外を主軸に資産形成をすることも可能です。

日本での資産形成に不安や限界を感じている方にはHSBC香港での口座開設、おすすめです。