少子高齢化による労働人口の減少や、円安の進行、そこから生じる経済の縮小など、これからの日本を考えると貯金ではなく、運用による資産形成はとても重要になっていきます。

しかし日本ではまだ資産運用への理解が浅く、「投資=怖いもの」「投資はギャンブルみたいなもの」と思っている人も少なくありません。

しかしそもそも投資とギャンブルは根本的に違うものです。

もし「資産運用に興味はあるけど、ギャンブルみたいで怖い」と思って投資への第一歩を踏み出せていないのであれば、必要以上に怖がる必要はありません。

ここでは投資とギャンブルの違いについて解説するとともに、より安全性の高い投資をするためのポイントについても解説していきます。

INDEX
  1. 投資とギャンブルの根本的な違い
    1. 集めたお金そのものを殖やすのが投資
    2. 残ったお金を分配するのがギャンブル
    3. 投資は資産形成の手段、ギャンブルは娯楽の一つ
  2. 危険な投資・安全な投資
  3. より安全に投資をするためのポイント
    1. 資産の分散
    2. 地域の分散
    3. 時間の分散
  4. まとめ

投資とギャンブルの根本的な違い

お金

投資とギャンブルの根本的な違いは、お金の配分方法にあります。

簡単に言えば、投資は儲けたお金をみんなで山分けするビジネスですが、ギャンブルは胴元(元締め)が数十%を差し引いて、その残りを参加者に分配するというビジネスです。

以下ではそれぞれについて詳しく見ておきましょう。

集めたお金そのものを殖やすのが投資

投資会社は投資家から資金を集め、そのお金を運用するのが仕事です。

投資のビジネスはこの運用によって生じた利益を、投資に参加した投資会社と投資家で山分けするという形で成立しています。

もちろん逆に損失が出てしまう場合もありますが、その際は損失を痛み分けすることになります。(※)

このような仕組みになっているため、投資会社は基本的に集めたお金を殖やそうとします。結果、投資家が出したお金が殖え、各個人の資産を形成できるというわけです。

しかし損失ばかり出る投資商品にはお金が集まりません。お金が集まらなければ手数料も増えません。そのため投資会社はどのみち利益を出そうとしなければならないのです。

※運用のための手数料を受け取ることで、損失が出ても投資会社には利益が残るような形の投資商品もあります。

残ったお金を分配するのがギャンブル

「集めたお金を殖やす」が本質の投資に対して、ギャンブルは「最初から減ったお金を参加者で奪い合う」が本質です。

なぜならギャンブルには胴元という運営者がいて、お金が集まった時点で数十%の取り分を差し引くからです。

こうして残ったお金をゲームの結果に基づいて参加者に分配するので、ギャンブルには勝つ人と負ける人が生まれるのです。

例えばパチンコは10〜20%程度、競馬や競輪等の公営ギャンブルは25%程度、宝くじになると50%程度を、胴元が差し引いています。

これだけ元手となるお金が減った状態からのスタートで奪い合うのですから、負ける確率が高いのも当然です。

投資は資産形成の手段、ギャンブルは娯楽の一つ

こうしてみてみると、投資が資産形成の手段として適している一方で、ギャンブルは単なる娯楽の一つにすぎないことがわかります。

お金を殖やすために投資をするのは正しい選択ですが、ギャンブルで資産を形成しようとするのは無謀以外のなにものでもありません。

ギャンブルは掛け金を払ってスリルを味わうだけの娯楽なのです。

危険な投資・安全な投資

投資のイメージ

とはいえ「投資」と名のつくもの全てが安全性の高い資産形成方法だというわけではありません。前述したように集めたお金が減ってしまえば、その損失を負担する必要があるからです。

ではどのようなところに損失のリスクが潜んでいるのでしょうか。一般的に投資のリスクとされるのは、以下の4つです。

リスクの種類 概要
信用リスク 例えば株式に投資した会社が破綻した場合には、その会社の株式は単なる紙切れになります。
価格変動リスク 投資した商品の価格が購入時よりも下がった場合は、そのぶんが損失となります。
為替変動リスク 外国の通貨(外貨)で購入した金融商品は、その外貨の価値が日本円に対して下がると、損失につながります。
カントリーリスク 金融商品は、その国の信用度によっても価値が変動します。例えば日本が破綻した場合、日本の債券の価値は大きく低下します。

こうしたリスクに加えて、投資詐欺に遭う危険性もあります。

投資詐欺を回避するためのポイントについては、投資案件の勧誘を受けたら1番に考えたい事で詳しく解説しているため、チェックしておいてください。

より安全に投資をするためのポイント

安全ヘルメット

「こんなにたくさんリスクがあるなら、やっぱり投資もギャンブルと変わらないじゃないか!」と思った人もいるかもしれません。

しかし投資のリスクは正しい知識と対策をとれば、大幅に引き下げることができます。投資で賢くお金を殖やせるかどうかの境目は、知っているか・知っていないかだけなのです。

ゲームが始まる前からほぼ負けが確定しているギャンブルとは全く違います。

具体的にどうすればいいのかについてはお金の窓口の他のページで解説するとして、ここではエッセンスとなるポイントを簡単にまとめておきましょう。

資産の分散

例えば一つの会社の株式に全ての資産を投資してしまうと、その会社が破綻すれば自分の資産もなくなってしまいます。

しかし複数の会社の株式を分散して持っていれば、一つの会社が破綻しても他の会社の業績が上がることでカバーできるのです。

ただしこうした見極めを投資の初心者がするのは至難の技です。もし自分でやろうとするなら相応の勉強と経験が必要になるでしょう。

一方で投資信託のような、プロの機関投資家が代わりに色々な会社の株式などを組み合わせて運用してくれる投資商品もあります。

こうした投資商品を購入すれば、損失のリスクをさらに抑えることができます。

地域の分散

例えば日本の不動産に全ての資産を投資している状態で、日本の不動産価格が大暴落した場合、自分の資産もそのぶんだけ損失を受けることになります。

しかし日本、イギリス、カンボジア、インドネシア、アメリカといった具合に、世界各地に資産を分散しておけば、そのうちの一国で大きな問題が起きた場合でも、資産全体への影響を最小限に抑えられます。

時間の分散

投資の基本は「価格が安い時に大量に買い、価格が高くなった時に大量に売る」です。これさえ実践できれば、100%利益を出すことができます。

しかしどのタイミングの価格が一番安く、どのタイミングの価格が一番高いのかは誰にもわかりません。そのためまとまった金額の投資をした瞬間、すぐに価格が大幅に下がらないという保証はどこにもないのです。

こうしたリスクを下げるためには、投資のタイミングを複数回に分ける必要があります。

投資信託などの積立投資はこの典型です。つまり毎月などの頻度で積み立てていくことで、損をする確率を分散させているのです。

まとめ

ギャンブルの基本は「胴元が得をする」ですが、投資の基本は「投資会社も投資家も得をする」です。

もちろん投資商品の全てが利益を出せるわけではありませんし、手数料を目当てに投資家の資産を食いつぶそうとする金融機関がないわけでもありません。

しかしコツを抑えて正しい知識に基づいて資産を運用すれば、高い確率でお金を殖やすことができます。

お金の窓口ではそのための知識を、コンテンツを通じて発信しています。自分の将来の生活を守るためにも、今から資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。