ボーナスは「まとめて投資」が正解!一括投資のメリットとデメリットをシンプル解説で見たように、一括投資には以下のようなメリットがあります。
- 積立投資に比べてリターンが大きい
- 原則、追加の予算が必要ない
- 手元のお金を早く運用に回せる
これらのメリットの効果を最大化できるタイプの人がいます。それが以下の4つです。
- 50歳を超えている人
- 自営業・歩合制営業職など収入が不安定な人
- 将来独立を考えている人
- 今手元にまとまった資金がある人
この記事ではなぜこの4つのタイプの人たちが、一括投資のメリットを最大化できるのかを解説していきます。
50歳を超えている人
65歳で定年を迎え、第一線から退く場合、30歳の人にはあと35年ありますが、50歳の場合は15年しかありません。
もし現時点で「このまま資産運用すれば老後のお金は大丈夫」というラインまで達していないのであれば、資産運用の方針を切り替えて、より効率的に資産を増やす必要があります。
ここで一括投資の「積立投資に比べてリターンが大きい」というメリットが効果を発揮します。
例えば今までコツコツと貯金を続けてきて、手元に1,200万円があるとしましょう。
これを年利6%で、毎月10万円、年120万円ずつ、10年間積み立てたあと、その後5年間も引き続き運用した場合と、同じ年利で一括投資した場合の15年後の資産総額を比較してみましょう。
年利6%、年120万円ずつ、10年間積立。その後5年間も引き続き運用。 | 約2,160万円 |
年利6%で1,200万円を一括投資。 | 約2,870万円 |
結果は上の通り。両者には最終的に約710万円もの差が開いています。
もちろん老後に必要な資金には個人差があるため、積立投資で作るこのできる資産額で十分足りる場合もあります。それならそれで問題ありません。
しかし「自分が思い描く老後を送るためには積立投資では間に合いそうもない」というのであれば、一括投資を選択肢として真面目に検討することをおすすめします。
自営業・歩合制営業職など収入が不安定な人
自分で商売をしていたり、歩合制の営業マンをしていたりすると、どうしても収入が不安定になりがちです。
いずれも仕事がうまくいっているときは資金が潤沢にありますが、逆に仕事がうまくいかなくなれば途端に資金不足になります。
このような人が積立投資を前提に資産運用をしていくと、どこかで「今はお金があるけど、タイミングによってはお金がない。だから積立ができない」という状態になる可能性が高くなります。
積立投資が低リスクの投資手法とされているのは、投資をするタイミングを分散できるからです。
自分の判断で選ぶのではなく、半ば自動的に「毎月この日に、これだけの金額分だけ購入する」と決める。
これにより、価格が高いときには少しだけ買い、価格が安いときには多く買うという形を実現しているわけです。
しかし「今はお金があるから積立できる」「今はないから積立できない」という状況になると、積立投資の大前提が崩れてしまいます。
これでは積立投資のメリットを最大限活用できません。
ここで効果を発揮するのが、一括投資の「原則、追加の予算が必要ない」というメリットです。
現時点でまとまったお金があるのであれば、それを一括投資しておき、極力取り崩しをしないようにする。
これから発生する毎月(もしくは毎年)の余剰資金は積立投資にしておき、仕事がうまくいかなくなった場合はこちらを取り崩す。
このようにして一括投資と積立投資を組み合わせれば、自営業者や歩合制営業職の収入の不安定さをカバーしつつ、きっちりと老後資金を形成できるのです。
将来独立を考えている人
50歳を超えている人のところでも見たように、積立投資は一括投資に比べて結果が出るまでに時間がかかります。
積立金額にもよりますが、少なくとも20年、できるなら30年以上の積立期間を設定しなければ、十分な老後資金を準備するのは難しくなります。
しかし将来独立を考えている人には独立資金の準備だけでなく、独立後の資金繰りという試練も待っています。
そんな中で数十年にわたって積立金を毎月数万円、固定費として払い続けなければならないというのは、かなり厳しいはずです。
個人事業主であれ、企業経営者であれ、独立の先には孤独が待っています。
誰にも言えない悩み。誰にもわかってもらえない悩み。独立するということは、そうした孤独を抱えて働くということでもあります。
仕事で精神的に追い込まれたときに「今積立金を払わないと、老後までどうなるかわからない」という不安がよぎったとしたら……。
ひょっとすると「もう自分はやっていけない。会社に戻ろう」と諦めてしまうかもしれません。
このような事態を防ぐために効果を発揮するのが、一括投資の「原則、追加の予算が必要ない」というメリットです。
今の時点で500万円なり、1,000万円なりを一括投資しておいて、それ以外の部分で独立準備を進めていけば、途中で積立金の振り込みに精神を追い詰められることもありません。
多くの経営者が、事業の成功に最も重要なのは諦めない心だと言います。
正念場で踏ん張るために、余計な不安は邪魔でしかありません。
一括投資で老後資金の準備をしておけば、そうした余計な不安を一つ減らすことができるのです。
今手元にまとまった資金がある人
手元にまとまったお金がない人は、結果が出るまでに時間のかかる積立投資をするか、もしくは生活防衛資金を作るためにまず貯金から始めなければなりません。
しかしすでにある程度のお金がある人は、いきなり一括投資というより早く、より大きな結果の出る資産運用ができるのです。
まだ30代、もしくは40代半ばで老後までは時間がある。
貯金はしているからある程度まとまったお金はあるが、普通の会社員で、独立する気もなければ、何か欲しいものがあるわけでもない。
このような人でも、お金がたくさんあるに越したことはないはずです。
しかし今後も手元のまとまったお金を貯金という形で置いておくかぎり、そのお金はただ眠っているだけで、働いてくれることはありません。
手持ちのお金を全て預金しておくというのも、たしかにある意味では「一括投資」です。
しかし、そのパフォーマンスはあまりにも悲惨です。
仮に500万円を今の日本の銀行の普通預金(年利0.001%)で30年間運用した場合、以下のような結果になります。
投資金額 | 500万円 |
年利 | 0.001% |
投資期間 | 30年間 |
30年後の資産額 | 約515万円 |
いっぽうで、投資信託に一括投資をして年利5%を実現できれば、以下のような結果になります。
投資金額 | 500万円 |
年利 | 5% |
投資期間 | 30年間 |
30年後の資産額 | 約2,160万円 |
もちろん投資信託には損をするリスクがあります。しかし正しい選び方さえ知っていれば、年利5%くらいの投資信託はかなり低リスクで運用することができます。
それで預金の何倍ものプラスが出るのですから、「やらなきゃ損」でしょう。
まとめ
ここで紹介した4タイプの人たちが一括投資をすれば、そのメリットを最大限に活用することができます。
しかしどんなにメリットがあるからといっても、失敗すれば損失が大きくなり、老後資金どころではなくなってしまいます。
そのため一括投資を検討するのであれば、失敗のリスクをできるだけ抑えるための方法を知っておかなければなりません。
「老後資金のための一括投資」シリーズ最後の記事、一括投資でもリスクは抑えられる!手堅く、大きく勝つための絶対条件とは?では、この方法について詳しく解説していきます。