「年金は何年の加入期間でもらえるようになるの?」
「加入期間の長さでもらえる額は変わるの?」

あなたは、このような疑問を持っていませんか?この記事では、そんなあなたに向けて年金の加入期間と受給額について、くわしく紹介しています。

具体的には以下の内容です。

  • 年金をもらうための最低加入期間
  • 年金の加入期間10年でもらえる金額
  • 年金保険料を未納・滞納で支払っていない場合はどうなる?

この記事は5分くらいでカンタンに読めて、年金がもらえるようになる加入期間ついて十分に知ることができます。ぜひご一読ください。

INDEX
  1. 年金をもらうための最低加入期間は10年
    1. 受給のための最低加入期間が25年→10年に変更される
    2. 注意!遺族年金・障害年金は加入期間改正の適用外
  2. 10年の加入期間でもらえる年金の金額
    1. 老齢基礎年金(国民年金)で受給できる金額は?
    2. 老齢厚生年金(厚生年金)で受給できる金額は?
    3. 加入期間中に、国民年金の免除を受けていた場合はどうなるの?
    4. 年金保険料を未納・滞納で支払っていない場合はどうなる?
  3. まとめ

年金をもらうための最低加入期間は10

受給のための最低加入期間が25年→10年に変更される

年金の加入期間

年金を受け取るための最低加入期間は、2017年8月1日”以前”は「25年」でした。保険料納付済期間、国民年金の保険料免除期間などを合算した加入期間が25年以上を超えて、はじめて年金が受給できたのです。

しかし、2017年8月1日より後は、加入期間が10年以上であれば年金を受け取ることができるようになりました。

これは、2017年に施行された法改正によるものです。この法改正では、加入期間の短縮以外にも、短時間労働者に対する厚生年金や健康保険の適用拡大も行っています。

注意!遺族年金・障害年金は加入期間改正の適用外

これまで紹介したように、年金は10年の加入期間でもらえるようになります。

しかし、「遺族年金」および「障害年金」の条件にある加入期間25年という条件は改正の適用外となっていますので注意しましょう。給付要件については条件によって異なりますので、ここでは割愛いたします。

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者もしくは被保険者であった人が、亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができる年金のこと。

障害年金とは、病気や怪我によって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、受け取れる年金のこと。年金障害年金を受け取ることができる対象者には、定年ではない現役世代の人も含まれる。

出典:日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

10年の加入期間でもらえる年金の金額

年金の受給額

ここまで、年金をもらえるようになるまでの最低加入期間は10年であることを紹介しました。では、10年の加入期間でもらえる年金の具体的な金額はいくらになるのでしょうか?

ここから、年金の種類を分類し、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」に分けて見ていきたいと思います。

老齢基礎年金(国民年金)で受給できる金額は?

老齢基礎年金とは、いわゆる国民年金のことです。自営業者から、サラリーマンに至るまで原則すべての人が支払う年金となります。加入期間に応じて年金額が計算されます。

2019/06/15現在、老齢基礎年金は下記の計算式で計算されます。

1年あたりに受給できる老齢基礎年金=780,100円×加入期間/満期の加入期間(40年間)

加入期間が10年間であれば、1年あたり195,025が支給されます。1ヶ月あたり16,252円です。

ただし、2019/06/15現在において受け取る場合の計算式となりますので、将来この数式が維持されるかは不明です。

老齢厚生年金(厚生年金)で受給できる金額は?

老齢厚生年金とは、いわゆる厚生年金のことです。会社に勤めていて、厚生年金保険に加入していた方が受け取る年金です。給与や賞与の額、加入期間に応じて年金額が計算されます。

ですので、10年間でもらえる老齢厚生年金の合計額も、個々人によって大きく変わります。

老齢基礎年金に比べ、老齢厚生年金の算出方法は複雑です。ここでは、おおよその数値が算出できる計算式を共有いたします。

1年あたりに受給できる老齢厚生年金=加入期間の平均年収×0.55%×加入期間/満期の加入期間(40年間)

もう少しわかりやすく、平均年収別に紹介していきます。

※老齢厚生年金は、厳密には配偶者の年齢や就職した際の年令によっても多少増減がございますが、ここでは割愛いたします。

1.加入期間の平均年収が400万円の場合
10年の加入期間にのみ保険料を払い続けていた場合において、1年でもらえる老齢厚生年金の金額は約22万円になります。月換算で1.83万円です。老齢基礎年金と足し合わせると約3.4万円となります。

2.加入期間の平均年収が600万円の場合
10年の加入期間にのみ保険料を払い続けていた場合において
、1年でもらえる老齢厚生年金の金額は約33万円になります。月換算で2.75万円です。老齢基礎年金と足し合わせると約4.4万円となります。

3.加入期間の平均年収が800万円の場合
10年の加入期間にのみ保険料を払い続けていた場合において
、1年でもらえる老齢厚生年金の金額は約44万円になります。月換算で3.66万円です。老齢基礎年金と足し合わせると約5.3万円となります。

4.加入期間の平均年収が1,000万円の場合
10年の加入期間にのみ保険料を払い続けていた場合において、
1年でもらえる老齢厚生年金の金額は約55万円になります。月換算で約4.58万円です。老齢基礎年金と足し合わせると約6.2万円となります。

加入期間中に、国民年金の免除を受けていた場合はどうなるの?

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、国民年金保険料の支払いは所得等の一定の条件のもと免除申請を行うことが可能です。
そして、この免除期間中も、加入期間に含められます。つまり、7年間は国民年金保険料を満額納付し、その後3年間免除を受けていた場合も、加入期間は10年間と計算されます。

ただし、免除期間に応じて、老齢基礎年金の支給額も当然少なくなります免除期間分の年金支給額は通常時の半額で計算されるようになっています。

ただ、免除申請により支払わなかった国民年金保険料を後から支払うことにより、通常通りの金額で受給することも可能です。もし該当される方がいらっしゃいましたら、近隣の年金事務所に相談されてみてください。

年金保険料を未納・滞納で支払っていない場合はどうなる?

結論から申し上げますと、免除期間を除き、年金を支払わない期間があった場合、その期間分の年金を受給することはできません。
また、年金受給以前に、年金保険料の支払いは国民の義務となります。もし、一定の年収がありながら年金を支払わなかった場合は、最終的には銀行口座の凍結・財産の差し押さえなどにより強制徴収の対象となります。

ただし、年金保険料の支払期限から2年までであれば、追納することが可能です。2年を過ぎてしまった場合は、追納は認められず、老齢基礎年金の受給額が小さくなってしまいます。なお、追納時は必ずしも一括で支払う必要はなく、分割支払いも可能となります。

まとめ

本記事ではここまで、以下の内容をお伝えしました。

  • 年金をもらうための加入期間は最低10年
  • 年金の加入期間10年でもらえる金額
  • 年金保険料を免除・未納・滞納で支払っていない場合

制度上は10年の加入期間で受給可能となります。しかし、ご覧いただいた様に、10年の加入期間で、老後の生活に必要な額の資産を十分に用意することは不可能です。

また、仮に満額支給される場合でも、2019年6月3日に金融庁から公表された報告書において「年金だけでは老後の生活費は賄えない」「将来は、現行よりも年金給付額が下がる」と記載されております。

これからの時代には、年金にだけ頼ることは大きなリスクであることは間違いありません。年金に頼る以外にも、個人で資産形成をできるように、今のうちから準備をしておかなければならないのです。