節約に必要なのは日々コツコツと無駄遣いをなくすこと。少しずつ確実にというイメージがあります。節約に必要なのはマメさと継続する忍耐力が必要と感じている方も多いことでしょう。確かにそういった一面はあります。節約はコツコツできるに越したことはありませんし、結果成功した経験を持つ人が多数いるのも事実。

しかし、最短で確実に成果を出そうとした場合、日々の細々とした出費を削るよりも「固定費」を削減した方が手取り早いことを明確に意識している人は多くありません。

固定費の削減は一度で済みます。

そしてその効果は次の月から明確な数字となって現れます。

この記事では出費の多くなりがちな固定費に焦点を当て、

①まずはざっくりとした固定費のイメージを持ってもらう

それを徹底的に削減した場合、どの程度の節約が見込めるかシュミレーションを通して具体的に述べていく。またとことん突き詰めた場合も考えてみる

といった形で進めていきます。是非参考にしてください。

INDEX
  1. 出資額の大きい固定費の種類のイメージをつかもう
    1. 家賃は手取り給与の25%までが目安?
    2. 保険は長期視点が大事
    3. クルマは維持費がポイント
  2. 各種固定費を削った時の節約額シュミレーション
    1. 家賃対策とシュミレーション
    2. 保険対策とシュミレーション
    3. クルマ対策とシュミレーション
  3. すぐに行動に移すかが鍵【まとめ】

出資額の大きい固定費の種類のイメージをつかもう

お金のイメージ

では、固定費の中でもその割合を多く占めるものは何でしょうか?結論から述べると、

①家賃・②保険・③クルマが筆頭に上がってくるでしょう。この3つは「生活に当然かかるもの」として認識されている方が多いことが落とし穴です。

どれも「必須だから金額もかさんで当然」と思われている節がありますがここを削ることが固定費の見直しに置いて最大のポイントとなります。まずは一般的にどの程度出費としてカウントされているかざっくりとイメージを掴んでいきましょう。

家賃は手取り給与の25%までが目安?

家賃は固定費の中で最もその値段が高くつきます東京都内などの大都市周辺に対し地方都市在住である場合大きく金額に差が生じますが、一般的に最も給与から割かれるのが家賃と言っていいでしょう。

家賃に割く金額は「手取りの25%」までが定説です。25%以内であれば食費や衣類などに対してもある程度余裕を持って対処できるという訳です。

しかし考えてみれば、いくら住む場所とは言え、働いて稼いだお金の25%を吸い取られていくことは痛い出費だと言わざるを得ません。少なければ少ない程好ましいことは言うまでもありませんし、削減する方法は何通りも考えられます。まずは一度自分の家賃や住宅ローンが月の手取りの何%を占めているか確認してみましょう。

保険は長期視点が大事

次に高いのが保険。これも必要不可欠と考える人が多く、日本人成人の80%が加入しているため当たり前の出費として認識されています。

しかし公的保険制度の整った日本においては、ガンのような病気にかかったとしても医療費の負担は限られており、掛け捨ての保険で十分事足りるケースがほとんどです。注目すべきは保険は一生涯払い続けることになる、年間ベース、月ベースで見ると大したことのない金額に見えても積み重なると数百万円まで膨れ上がると言うことです。

年間10万円を保険会社に支払うとすると、30年後には300万円の出費となり、無視できる金額とは言えなくなります。家賃と同じく長期で考えた場合、どれくらい保険会社に支払うことになるのか計算してみることをおすすめします。(年齢により保険料は上がっていくことが普通ですがここではわかりやすく10万円で考えています)

クルマは維持費がポイント

生活スタイルにによって大きく異なりますが、3番目に挙げられるのはクルマ。クルマの所有は車両費に目が行きがちですが、注目すべき出費は購入後の維持費です。ガソリン代、各種保険、メンテナンス費、車検代、駐車場代など様々な経費がかかり、最近では走行税なる、走るだけで税金を徴収される税制がニュースになるほど。

ガソリン代3,000円/月・各種保険5万円/年・車検10万円/2年・駐車場代1万円/月≒25万円/年かかる計算となります。ここを削るだけでも出費をかなり抑えられるのも想像に難くないでしょう

各種固定費を削った時の節約額シュミレーション

右肩上がりのグラフ家賃・保険・クルマにどれくらいの金額がかかっているかざっくり把握しました。これを節約した場合どれくらいの出費を抑えられるのか対策方法とシュミレーションを見ていきます。現実的に可能な線と同時に、とことん追い込んで取り組んだ場合も想定してみます。

家賃対策とシュミレーション

東京都在住、30代サラリーマン手取り30万円の男性が家賃10万円のアパートに住んでいたと仮定します。この時点で手取りに占める家賃の割合は33%と目安の25%を大きく上回っています。額面だけで考えても、年間家賃に120万円を割く計算となり、これにメスを入れる効果は絶大であることが窺えます。

改善する方法としては、家賃の安い家へ引っ越す・大家さんと家賃を交渉する・恋人や友達と同棲する、シェアルームに住む・家賃補助のある会社に就職または転職するなど、様々。

ここでは最も手早くできそうな「家賃の安い部屋へ引っ越す」を選択したと仮定します。家賃を収入の25%以内に抑えるためには7.5万円のアパートに引っ越す必要があります。これだけで2.5×12=30万円で、年間30万円の節約となることがわかります。

家賃対策をとことんやった場合

一方家賃をとことん削るのであれば、実家に暮らすことが最強です。家賃ゼロは固定費の3分の1、人によっては2分の1をやっつけるのと同等の効果があります。上のシュミレーションで考えるのならば、家賃年間120万円→0になります。

年間の手取り年収を仕事で120万円増やすとなると気が遠くなりますね。それくらい住居には費用がかかることを認識しておくことが重要です。

保険対策とシュミレーション

30歳サラリーマン、積立型保険に年間10万円支払っていると仮定します。10万×30年=300万円満期を迎えても返戻金は310万円がせいぜいでしょう。

これを掛け捨ての月々2,000円のものに変えたとします。2000円×12月×30年=72万円残りの300万−72万=228万円を、3%の利率で30年間投資に回した場合、約370万円となり、保険に積み立てるよりも大幅に節約&お得となることがわかります。保険と投資は切り分けて考えるのがポイントです。

保険対策をとことんやった場合

また、とことんやるのであれば、「保険に入らない」という手も考えても良いでしょう。特に独身者であれば保険に入る必要はほとんどないと言っても過言ではありません。先にも述べたとおり、日本の皆保険制度、高額医療制度は非常に優れたもので、重篤な病気にかかったとして数十万円の貯金の範囲内で対応できることも多くあります。これで上記シュミレーションと照らし合わせると300万円程が節約できることになります。

クルマ対策とシュミレーション

ガソリン代3,000円/月・各種保険5万円/年・車検10万円/2年・駐車場代1万円/月≒25万円程。5年間そのクルマに乗り続けると25万円×5年=125万円。もちろんこれにプラスして車両費がかかります。

これをカーシェアリングと比較します。週2回2時間の利用とした場合、月額基本料金1,030円 利用料金15分206円で計算すると、1,030円+206円(15分利用料)×8(2時間)×8(月利用回数)≒14,000円/月14,000円×12ヶ月×5年=84万円と、自前のクルマの維持費をシェアリングに変えるだけでも5年間で40万円程節約になることがわかります。

もちろんシェアリングを前提とした場合、歩いたり電車を利用したりすることの優先順位が上がるでしょうから、さらに利用回数は限られてくるでしょう。

クルマ対策をとことんやった場合

一方とことんやるのであれば、車は持たないことが良いでしょう。これは都心部に住んでいる方であれば特に無理することなく実行に移すことが可能です。地方在住の方でも、駅やバス停が近くにあるのであれば無理して車を所有する必要は本当はないという方もいるかと思います。

これで維持費も車両代も当然ゼロになりますので、200万円以上節約できる可能性が広がり、お金を掛けすぎていた人にとっては将来的に数千万円の節約となる可能性も出てきます。

すぐに行動に移すかが鍵【まとめ】

未来を見据えるサラリーマン

 

家賃、保険、クルマの節約を考えてみました。上記シュミレーションで節約できた額は、

家賃  年間30万円〜

保険  年間3万円〜 ※一生涯続く・投資額で差額が大きく変化

クルマ 年間8万円〜 ※車両代は別

トータルで年間40万円以上の節約となることがわかります。また、とことん突き詰めた場合、節約どころかかかる費用はゼロになります。現実的に難しい場合は、部分的でもとことんを突き詰めるとすぐに効果が現れます。そして冒頭に挙げた結論をもう一度。

固定費の削減は一度で済みます。そしてその効果は次の月から明確な数字となって現れます。コツコツ生活費を削るのも節約ですが、上記固定はすぐに取りかかれてすぐに成果が出ます。継続性も要りません。節約の鍵となるのは「コツコツ」よりも金額の大きいものから取り掛かる「大胆さ」と言えます。あとはすぐに実行に移す。これに尽きますね。