
補助金や助成金は、新規事業や設備投資、雇用などのための資金を支援してくれる制度です。
国が主導しているもののほか、各地方公共団体が主導しているものもあり、対象となる事業者や満たすべき条件なども様々なものがあります。
また、これらの制度は毎年国や自治体の状況に応じて組み替えられているため、去年申請できる制度がなかった事業者でも、今年は申請できる制度がある可能性もあります。
きちんと探せば、きっと活用できる補助金・助成金制度があるはず。もらえるお金をもらわないのは明らかな損です。事業者としては、フル活用しておきたいところです。
「でも、ああいう制度って元手がいるんでしょ?」と思う人もいるかもしれません。
確かに補助金・助成金制度は基本的に後払い制。先に会社のお金で事業展開なり、設備投資なりを行なったあと、その費用の2分の1などが支払われる仕組みになっています。
しかし近年は制度の適用を受けていることが証明できれば、それを担保に融資をしてくれる金融機関も増えてきています。
補助金・助成金を活用しやすい環境は、整ってきているのです。
今回は2019年に公募があり、かつ2020年も継続になりそうな補助金・助成金制度を一覧にまとめました*。ぜひとも会社としての新たな一歩に役立ててください。
※あくまで「継続になる可能性が高い制度」です。場合によっては廃止になるおそれもあることを、予めご了承ください。
2020年に申請できる助成金・補助金一覧
名称 | 小規模事業者持続化補助金 |
概要 | 持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みや、あわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援する。 |
上限額(補助率・助成率) | 50万円(補助率3分の2以下) |
条件(一部) |
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ポイント | 公募時期が短く、しかも唐突に発表されるので準備を早めに。 |
申請先 | 日本商工会議所 |
詳細・昨年度の要領など | https://h30.jizokukahojokin.info/ |
名称 | IT導入補助金 |
概要 | IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップを支援する。 |
上限額(補助率・助成率) | 最大450万円(補助率1/2以下) |
条件(一部) |
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ポイント |
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申請先 | 特設ホームページ(URL同下) |
詳細・昨年度の要領など | https://www.it-hojo.jp/ |
名称 | ものづくり・商業・サービス高度連携促進補助金 |
概要 | 中小企業・小規模事業者等が連携して取り組む、生産性向上や地域経済への波及効果拡大に貢献できる革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善のための設備投資等を支援する。 |
上限額(補助率・助成率) | 上限1,000万円または2,000万円(補助率1/2以下) |
条件(一部) | 東京都内の事業者 |
ポイント | 1者のみの応募は不可。 |
申請先 |
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詳細・昨年度の要領など | https://www.chuokai.or.jp/hotinfo/mhr2_koubo31fy.html |
名称 | 新製品・新技術開発助成事業 |
概要 | 実用化の見込みのある新製品・新技術の自社開発を行う中小企業者等に対し、試作開発における経費の一部を助成する。 |
上限額(補助率・助成率) | 最大1,500万円(補助率1/2以下) |
条件(一部) |
(※外国人旅行者のための多言語対応に取組んでいる店舗) |
ポイント | ものづくり補助金に比べると、計画が必要ないため自由度が高い。 |
申請先 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
詳細・昨年度の要領など | https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/shinseihin.html |
名称 | インバウンド対応力強化支援補助金 |
概要 | 宿泊施設、飲食店、小売店等が、訪都外国人旅行者のニーズに対応した利便性や快適性を向上させる目的で新たに実施する受入対応強化の取組を支援する。 |
上限額(補助率・助成率) | 最大300万円(補助率1/2) |
条件(一部) | |
ポイント | 観光地なら東京以外の地域にも制度がある可能性あり。 |
申請先 | 公益財団法人東京観光財団 |
詳細・昨年度の要領など | https://www.tcvb.or.jp/jp/project/infra/welcome-foreigner/ |
名称 | 中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース) |
概要 | 一定の条件を満たす労働者を新たに雇い入れた場合、募集、採用、教育訓練に必要な費用の一部を助成する。 |
上限額(補助率・助成率) | 事業主が40歳以上の場合は最大で150万円(助成率1/2)、60歳以上の場合は200万円(助成率2/3) |
条件(一部) |
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ポイント | この他に同じ名称で異なる要件の「中途採用拡大コース」「UIJターンコース」がある。 |
申請先 | 労働局・ハローワーク |
詳細・昨年度の要領など | https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000500459.pdf |
名称 | BCP実践促進助成金 |
概要 | 中小企業者等が、自然災害等の不測の事態が生じた場合に備え、事業継続のための危機管理対策を講じるための取り組みを支援する。 |
上限額(補助率・助成率) | 最大1,500万円(助成率1/2以下) |
条件(一部) |
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ポイント |
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申請先 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
詳細・昨年度の要領など | https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/documents/2019_bcp_youkou.pdf |
まとめ
近年の補助金・助成金制度の多くは、企業として元気があるところを対象にしているものがメインになっています。
会社として次のステージに行くための促進剤として、制度を活用していきましょう。
冒頭でも触れたように、補助金・助成金制度は国・自治体ごとに無数にあります。
2020年は「災害対策」「事業承継」「IoT」「生産性」などがキーワードになると言われているため、会社としてそうした動きがある場合は、活用できる制度がないか特にアンテナを張るようにしておきましょう。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21では地域別などで補助金・助成金・融資の制度を検索することができます。
まずは自社の地域に活用できそうな制度がないか、検索してみてはどうでしょうか。