2015年にパナマ文書が流出した際、世界中の金持ちや大企業が高い税金を回避するために、タックスヘイブンに銀行口座を開いてオフショア投資を行っていたことが明らかになりました。
みなさんは、このニュースを聞いてふざけるなと思ったのではないでしょうか?
しかし、私は逆にオフショア投資に魅了され、可能なら私もオフショア投資をやりたいと思いました。
その後、暇なときに主にインターネット上でオフショア投資に関して調べて検討しました。
この記事では、私の体験を基にオフショア投資のメリットや気を付けるべきことについて解説します
なぜオフショア投資に興味を持ったのか
現在、筆者はスペイン在住で、主にヨーロッパの株へ投資しています。
日本に滞在していた時も株へ投資していましたが、同時にオフショア投資などの他の投資へも興味があり調べていました。
まず、私がオフショア投資に興味を持った経緯から説明します。
当時、私の銀行口座に数百万円の現金があり、それをどうにかして運用したいと思っていました。
そこで、アセットアロケーション(分散投資)におけるポートフォリオを検討しました。
私の投資先候補は、株、投資信託、ETF(上場投資信託)、債券(国債や社債)、金などでした。
重要なポイントは、これらの割合をどのようにするかということですが、私はアグレッシブ型のポートフォリオにしたいと思いました。
なぜなら、投資信託や債券ではあまり儲からないからです。
利益を得るとしても大体年間数万円程度です。
つまり、私は自分のポートフォリオにおけるハイリスクハイリターン投資の割合を60%以上にしたかったのです。
ハイリスクハイリターンの投資先は、株の個別銘柄投資以外には仮想通貨やFXがありましたが、私は仕事でかなり忙しかったためそれらへの投資は無理な状況でした。
そのような時に、パナマ文書流出事件が目に留まりました。
その時は、高い税金を回避できる上に、何となくハイリスクハイリターンじゃないかと漠然と思っていました。
それ以降、少しずつインターネット上でオフショア投資について調べていったのです。
オフショア投資は忙しい私に向いている
インターネットで投資関係の情報を調べる時は日本語のウェブサイトだけでなく英語のウェブサイトも調べています。
情報の量と質を高めるというのが理由です。
調べた結果、オフショア投資においては金利が高い一方で、為替などのリスクがあるということもわかりました。
同時に、基本的には海外積立投資ということもわかりました。
毎月数万円をドルコスト平均法などで積み立てればいいだけなので、オフショア投資は忙しい私に向いている投資商品だと思いました。
次に、同様に積立投資を行う海外ETFと何が違うのかという疑問が湧きました。
オフショア投資は海外ETFよりも大きな利益を得られる海外投資
例えば、米国ETFを購入する場合、米国の金融機関から委託された証券会社を通して購入するので、運用益から日本に税金を支払う必要があります。
加えて、手数料を証券会社に支払う必要があります。
一方で、オフショア投資では海外の金融機関と直接取引を行いますので、間を挟まない分、安い手数料で始められます。
また、オフショア積立投資であれば、基本的に利益確定を行うまでは税金はほぼかかりません。
かかったとしても、オフショア地域の税率はゼロかかなり低いので、税金がかからない分、大きな利益を得ることができます。
ただし、日本に住民票がある場合、利益確定をして受け取れば日本に税金を支払う必要があるので注意が必要です。
また、オフショア投資ではIFA(Independent Financial Advisor)という投資資金の運用を行う代理店を介して行うことも可能です。
その場合、IFAに手数料を支払う必要があります。
しかし、日本語でサポートしてくれる心強いIFAも多いことやオフショア投資では海外ETFよりも金利が高いこと(10%など)などを考えれば、得られる利益は十分高いでしょう。
私自身はIFAを通さずとも言葉の壁はありません。
しかし、運用アドバイスや運用委託が可能な点に置いてはニーズとも合致しており、利用することも一考に入れています。
タックスヘイブンは日本に近い香港かシンガポール
どのタックスヘイブンにするか
タックスヘイブンは世界中に多数ありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
これらの地域や国は、海外からの投資を引き込むなどのために税率を著しく下げています。
● ヨーロッパ
マン島(イギリス領)、アンドラ(スペインとフランスの国境線上にある小国)、
● 東アジア
香港、シンガポール
● 中東アジア
ドバイ、バーレーン
● アメリカ大陸(主にカリブ海・大西洋)
ケイマン諸島、バハマ
投資以外にも、タックスヘイブンでは生命保険を加入するという選択肢もあります。
その場合、タックスヘイブンにある病院へ行って健康診断書を得る必要があります。
さらに、できれば自分でタックスヘイブンへ行って銀行口座を開設した方が良さそうだということもわかりました。
代理業者への手数料を支払いたくないと言ったようなことが理由です。
これらのことから、私は日本に近い香港(日本から飛行機で4時間くらい)もしくはシンガポール(同6時間くらい)が最有力候補と決めました。
また、この最初のオフショア投資が軌道に乗ったら、さらに深く調べてもっと良さそうなタックスヘイブンを探してみるのも良さそうだと思いました。
つまり、日本に住みながらオフショア投資をしたい初心者は、まず香港あるいはシンガポールでオフショア投資を始めるのが良いでしょう。
オフショア投資のメリット
私が重要だと思ったオフショア投資の、その他のメリットをご紹介します。
複利運用ができる
オフショア投資では複利運用が可能です。
投資資金で得られた利息を、翌月の投資額に加算されて運用されます。
これに対して、単利運用においては投資資金の額は一定のままです。
つまり、複利運用により雪だるま式に資産が増えていくことになります。
一方で、ETFにおいても複利運用が可能です。
しかし、ETFの金利はそもそもかなり低いので雪だるま式に増えることはありません。
日本経済急落のリスク対策
最近の日本経済は衰退しており、ハイパーインフレが起きるのではないかと言われています。
そのような日本経済急落のリスク対策としてオフショア投資が有効です。
つまり、アセットアロケーションの一つとして利用できます。
オフショア投資のデメリットとその対策
オフショア投資はハイリターンですが、リスクもあることを忘れてはいけません。そのデメリットも認識しておいた方が良いでしょう。
英語が必要な場合がある
契約書や商品説明などは英語で書かれていることが多い上に、企業とのやり取りには英語が必要となってきます。
従って、少なくとも基礎レベルの英語が必要です。
しかし、日本人スタッフが仲介してくれる代理店を選べばあまり問題になりません。
ただし、英語を使えた方が選択肢は広がるでしょう。
購入後も、投資を行なっているタックスヘイブン(国や地域)や投資対象に関する情報を定期的にチェックしておく必要があります。
残念ながら、国内メディアは海外のニュースをあまり報道しないので、可能であれば欧米のメディアを参考にすることをおすすめします。
その際も英語が必要となりますが、最近は、英国BBCや米国ブルームバーグは日本語の海外ニュースも提供しています。
不安定なタックスヘイブンもあるので慎重に選ぶ必要がある
タックスヘイブンの多くは後進国なので、政治や経済システムが不安定になる傾向が強いので注意が必要です。
また、税制変更して税率が上がってしまう可能性も考えられます。
ただし、全てのタックスヘイブンが不安定ではなく、例えば、マン島は100年以上安定的に運営されているタックスヘイブンです。
したがって、慎重にタックスヘイブンを選ぶ必要があります。
為替リスク
オフショア投資においては、ほとんどの場合米ドルで取引されています。
従って、円高ドル安の時は資産が目減りしてしまうリスクがあります。
しかし、そうなったとしても一時的である可能性があるので、慌てずに積立投資をコツコツと続けた方が良いでしょう。
また、ドル資産を有することになるので必ずしもデメリットではないでしょう。
どのような人たちがオフショア投資に向いているか
以上の説明からお分かりだと思いますが、オフショア投資はユニークな投資手段です。
そのユニークさゆえに、万人向けの投資とは言えないと思います。
そこで、ここではどういう人たちに向いているか解説します。
オフショア投資には英語ができて海外ニュースに関心がある人に向いている
個人的な見解ですが、オフショア投資には英語が必須です。
日本人スタッフがいるIFAを選べば問題は解決します。
しかし、紹介してもらえるツテがない方には、そのようなIFAと出会う機会はあまりないかもしれません。
一方で、今は世界の政治や社会の秩序やシステムの変動期にあるので、特にオフショア投資家は英語で多くの情報を常に得ておくべきです。
この5年のうちにタックスヘイブンが無くなるか税制が変更することは十分考えられます。
香港がいい例です。
香港は、金融や政治面などで中国共産党政権から独立している自治権を有しています。
そもそも中国は、民主主義国家ではなく一党独裁国家なので、そのような完全自治権を簡単に取り上げてしまうことも考えられます。
もし英語が苦手であれば、これに関連した情報は、先述したように日本語版の英国BBCや米国ブルームバーグで得られますが、日本語版の記事は短い文章に編集されていることがあります。
また、英国BBCや米国ブルームバーグだけでは情報が偏ってしまいます。
以上のことから、オフショア投資は英語ができて世界情勢に興味がある人に向いています。
英語ができないけれどオフショア投資をしたいというのであれば、それほど多くの投資資金をオフショア投資に回さなければいいのではないでしょうか。
オフショア投資は投資経験者におすすめ
オフショア投資は、一般的な投資よりも手続きがやや複雑である上にリスクが高いです。
したがって、投資信託や株を購入して運用されたことがある方におすすめです。
基本的な投資の知識と経験がなければ、オフショア投資の取引において騙されてしまう可能性が高まります。
繰り返しになりますが、タックスヘイブンのほとんどは後進国です。
やはり、金を持っている人を騙そうという人が日本より多いのです。
最後に
私は日本からスペインへ移住することが決まったので、タイミング的にオフショア投資をしませんでした。
今はスペインに住みながらヨーロッパの株などへ投資を行っています。
スペインの近くにアンドラやマン島があるので、そこでオフショア投資を行うべく情報を収集しています。