キャッシュレス還元とは、現金払いではなく「キャッシュレス」で決済をしたときにポイント還元が受けられる制度です。
消費税アップの負担が軽減されるよう政府主導で実施されており、2020年6月30日までの期間限定となっています。
キャッシュレス還元の決済方法は、現金を使わないものであればすべて対象です。
主なものとして、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、キャッシュレス決済アプリなどが挙げられます。
日常の買い物をキャッシュレス決済にするだけで多くのポイント還元が受けられるので、積極的に利用して節約や貯蓄につなげたいですね。
この記事では、キャッシュレス還元の仕組みや対象となる店舗・決済方法について詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
キャッシュレス還元事業とは?ポイント還元率はどれくらい?
キャッシュレス還元事業とは、対象の店舗でキャッシュレス決済を行うとポイント還元が受けられる制度のことをいいます。
キャッシュレス還元率は店舗によって2%もしくは5%となっており、以下のような基準で分けられています。
店舗の種類 | ポイント還元率 |
小規模事業者(小売り・飲食・サービス) | 5% |
フランチャイズ(ファーストフード・コンビニ・ガソリンスタンド等) | 2% |
大型店舗 | 還元なし |
キャッシュレス還元は、インターネット上の決済にも適用されます。
楽天市場やアマゾンなどのECサイトで買い物をする場合も、購入先が対象店舗であればポイント還元を受けることができてお得です。
キャッシュレス対象の決済方法とポイント還元の仕組み
キャッシュレス還元で使われる主な決済方法は以下の4種類となっています。
- クレジットカード
- デビットカード
- 電子マネー
- キャッシュレス決済アプリ
特に人気があるのが、クレジットカード払いとキャッシュレス決済アプリです。
キャッシュレス決済の2種類のポイント還元方法
キャッシュレス決済におけるポイント還元の受け取り方は2種類あります。
- 請求額からの割引
- ポイント付与
1の場合は、消費税10%が加算された請求額からキャッシュレス還元分のポイントが差し引かれます。
2の場合は消費税が加算された額が請求され、後でポイントが付与されます。
例として、10,000円の商品を購入する場合を考えてみましょう。
5%還元の店舗で10,000円分の買い物をした場合、
- 消費税分は1,000円
- キャッシュレス還元分は500円
となります。
ポイント付加タイプ | 割り引きタイプ | |
請求額 | 11,000円 | 11,000円ー500円=10,500円 |
ポイント付与 | 11,000円×5%=500円分 | なし |
決済方法 | 主に決済アプリ | 主にクレジットカード |
ポイント付加タイプは、ポイント還元分の500円がクレジットカードやアプリのポイントとして付与されます。
割引タイプは、請求額から還元分が差し引かれるため、実際の請求額が少なくなります。
キャッシュレス還元対象のクレジットカード 還元ポイントと上限
キャッシュレス還元対象のクレジットカードは、ポイント分が割り引かれて請求されるカードと、ポイントが付加されるカードの2種類に分けられます。
どのクレジットカードも、おおむねポイント還元の上限は15,000円/月です。
請求から割り引かれる時期やポイント付与の時期は約2カ月後となっています。
キャッシュレス還元分が請求額から割り引かれるクレジットカード
請求額からキャッシュレス還元分が相殺される主なクレジットカードは、以下となっています。
請求額からキャッシュレス還元分を割り引くクレジットカード | ポイント割り引きの上限 |
三井住友VISAカード | 15,000ポイント/月 |
UCカード | |
クレディセゾン | |
イオンカード | |
JCBカード | |
ジャックス | |
MUFGカード | |
dカード | |
トヨタファイナンス | 150,000ポイント/9カ月 |
アメックス | 135,000ポイント/9カ月 |
ポイントの使い方がよくわからない、ポイントの管理がむずかしいという人は、キャッシュレス還元分を差し引いてくれるクレジットカードを選びましょう。
請求額から自動で割り引いてくれるため、手間がかからずおすすめです。
これらのクレジットカードの中ではトヨタファイナンスのポイント還元上限が一番大きく、たくさん決済をする人にとっては最適なクレジットカードといえます。
キャッシュレス還元分のポイントがもらえるクレジットカード
ポイント還元分のポイントがもらえる主なクレジットカードは、以下となっています。
キャッシュレス還元ポイントが付与されるクレジットカード | ポイント付与上限 |
楽天カード | 15,000円/月 |
オリコカード | |
DCカード | |
ニコスカード |
これらのクレジットカードでキャッシュレス決済をすることで、日頃貯めているポイントを、より多く貯めることができます。
「貯めたポイントをマイルに交換したい」「楽天ポイントを楽天市場でよりお得に使いたい」など、目的があってポイントを貯めている人は、ポイント付加タイプのクレジットカードがおすすめです。
キャッシュレス還元でお得なキャンペーンがあるクレジットカード
キャッシュレス還元に対応しているクレジットカードの中では、JCBカードがお得なキャンペーンを実施しています。
この機会に、お得な特典があるクレジットカードを作ると、お得な特典を獲得することができます。
クレジットカード名 | キャンペーン内容 |
JCBカード | 2019/12/15まで、Apple PayもしくはGoogle Payの利用で最大10,000円のキャッシュバック |
キャッシュレス還元対象のおすすめ決済アプリ 還元ポイントと上限
キャッシュレス還元に使える決済アプリには様々な種類があり、おすすめは以下のアプリです。
ほとんどがポイントが付与されるタイプとなっています。
ただし、Origami Payは少し仕組みが違います。
銀行口座を登録すると、決済後すぐに口座残高から引き落とされることから、デビットカードと同じような仕組みとなっています。
Origami Payは支払時にクレジットカード、もしくは銀行口座からすぐに支払われるので、利用上限が大きくなっています。
キャッシュレス決済アプリ | キャッシュレス還元ポイント | ポイント付与上限 |
PayPay | PayPayボーナス | 25,000ポイント/月 |
楽天Pay | 楽天スーパーポイント | 25,000ポイント/決済 |
Origami Pay | ポイント還元分割引(キャンペーン中) | クレジットカードは1回100万円未満/銀行口座引き落としは1回10万円以下 |
LINE Pay | LINE Payボーナス | 30,000ポイント/月 |
ファミペイ | Familyボーナス | レジでのチャージは上限10万円
ファミマTカードからのチャージは1日上限10万円/1カ月上限100万円 |
キャッシュレス還元はスイカなどの電子マネーも対象 還元ポイントと上限
キャッシュレス還元はスイカやイコカ、WAONなどの電子マネーも対象です。
利用額に応じたポイントが後日付与されます。
日常生活でよく使う電子マネーを選ぶと、もらったポイントを有効活用できます。
電子マネー名 | キャッシュレス還元ポイント | ポイント付与上限 |
スイカ | JREポイント(事前登録必要) | 15,000円/月 |
WAON | WAONポイント | |
ICCOCA(イコカ) | ICCOCAポイント(付与は3カ月ごと) | |
楽天Edy | 楽天Edy | 2,500円/決済ごと |
nanaco | nanacoポイント | チャージの上限が50,000円 |
キャッシュレス還元対象店舗ではクレジットカードや決済アプリのポイント二重取りが可能
キャッシュレス還元制度をうまく利用すると、ポイントの二重取りが可能です。
クレジットカードやアプリを使ってキャッシュレス決済を行うと、
・キャッシュレス還元制度でもらえるポイント
・クレジットカードやアプリの利用そのものでもらえるポイント
の2種類を獲得することができます。
クレジットカードでキャッシュレス決済を行う場合のポイント還元率の例
クレジットカードを使ったキャッシュレス決済の場合は、
- クレジットカードの利用ポイント+キャッシュレス還元制度のポイント
のふたつを獲得することができ、ポイント二重取りができます。
クレジットカードでのポイント還元率の例は、このようになっています。
クレジットカード名 | クレジットカードのポイント還元率 | 2%還元店舗で決済したときのポイント合計 | 5%店舗で決済したときのポイント合計 |
楽天カード | 1.0% | 合計3.0% | 合計6.0% |
dカード | 1.0% | 合計3.0% | 合計6.0% |
リクルートカード | 1.2% | 合計3.2% | 合計6.2% |
ヤフーカード | 1.0% | 合計3.0% | 合計6.0% |
割り引きタイプのクレジットカードの場合は、キャッシュレス還元対象のポイント分は請求額から差し引かれ、クレジットカード利用分のポイントは付与されます。
ポイント付与タイプであれば、両方の合計ポイント分をまとめてもらうことができます。
また、「楽天Payと楽天カード」「PayPayとヤフーカード」「d払いとdカード」のように、相性が良いクレジットカードを決済アプリに登録して利用すると、よりお得です。
お得なキャンペーンを利用できたり、ポイント還元率が通常よりも高くなったりするので、ポイントをたくさん貯めることができます。
アプリでキャッシュレス決済を行う場合のポイント還元率の例
PayPayや楽天Pay、LINE Payなどのキャッシュレス決済アプリの中には、アプリ利用そのものでポイントが貯まる場合があります。
その場合は、クレジットカードと同じように
・アプリの利用ポイント+キャッシュレス還元制度のポイント
の二重取りができます。
たとえばPayPayでは、条件を満たすとPayPay利用時のポイント還元率が1.5%となります。
PayPayのチャージ方法 | ポイント還元率 |
登録した銀行口座からチャージ | 1.5% |
ヤフーカードからチャージ | 1.5% |
例えば5%還元対象の店舗で、10,000円の買い物をするとします。
この場合は
- 10,000円×5%=500円
- 10,000円×1.5%=150円
合計650円分のポイントをもらうことができます。
楽天Payの通常ポイント還元率は0.5%、ファミペイも0.5%となっています。
PayPayの1.5%還元に比べると低いものの、ポイントがつかない決済アプリよりはお得です。
また、キャッシュレス決済アプリでは随時お得なキャンペーンを開催しています。
- まちかどPayPay対象店舗では合計10%ポイント還元
- 楽天Payでは、どの対象店舗でも合計5%のポイント還元
- Origami Payでは銀行口座を登録すると、利用額から常に3%割引
このようなキャンペーンも上手に活用しましょう。
キャッシュレス還元対象の決済アプリでは不正利用が心配!?
キャッシュレス還元の対象となっている決済アプリはお得なキャンペーンがひんぱんに行われていることから、多くの人の注目を集めています。
しかし、「アプリにクレジットカードを登録すると、簡単に不正利用に使われてしまうのでは」と不安を感じ、キャッシュレス決済アプリの利用に踏み切れない人もいます。
実際、セブン&アイ・ホールディングスが開始した「セブンペイ」で多くのなりすまし被害が多発し、わずか1カ月で撤退を迫られる事態となりました。
「キャッシュレス還元を利用したいけれど、決済アプリを積極的に使えない」と感じた人も多いかもしれません。
しかし、以下のような方法でチャージを行うことで不正利用対策をすることができます。
チャージ方法 | 不正利用対策 |
銀行口座からチャージ | 口座残高を少なくしておく |
銀行口座からの即時引き落とし | |
コンビニ端末やセブン銀行ATMによるチャージ | 必要な分だけこまめにチャージ |
決済アプリではお得なキャンペーンも多く、利用するとたくさんのメリットがあります。
キャッシュレス決済アプリを安心して活用するためにも、自分に合ったチャージ方法を選ぶようにしましょう。
キャッシュレス還元まとめ
キャッシュレス還元では、クレジットカードやキャッシュレス決済アプリの利用がおすすめです。
特に決済アプリはお得なキャンペーンも多く、それらを上手に活用することで効果的に節約や貯金につなげることができます。
決済アプリにクレジットカードを登録することが不安な人でも、様々なチャージ方法がありますので、自分に合った方法を選べば安心して利用することができます。
10%以上のキャッシュレス還元も頻繁に実施されていますので、今日からキャッシュレス決済を取り入れて、毎日をお得に過ごしましょう。