
HSBC香港の口座を開設しても、いったい何に使えば良いのか分からないという方が数多くいらっしゃいます。
既にHSBC香港の口座を持っているけど、作っただけで放置して口座凍結してしまっている個人投資家の方も珍しくありません。
日本の銀行口座でも同じですが、口座を開設しただけでは意味がなく、しっかりと活用して初めて口座を持っていることの価値を感じられるのです。
とはいえ、HSBC香港の銀行口座をフル活用できている日本人の投資家は決して多くありませんので、実際の活用事例を踏まえながら詳しく解説します。
海外オフショア投資に興味がある方にとっては、HSBC香港の銀行口座をしっかりと活用することで初級から上級までの全てを体験できますので、おすすめです。
では、ゼロからはじめるHSBC香港のステップアップ活用術を、最後までじっくりとお楽しみください。
HSBC香港【入門編】海外オフショア投資の基礎を学ぶ
HSBC香港の口座を開設し、実際に現金のやりとりを行うプロセスまでが入門編です。
海外オフショア投資を始めるにあたっては、海外に資産を持っている状態を作り、国境を超えた資金のやりとりをスムーズに行えることが基礎中の基礎です。
慣れてしまえば国内の銀行間のやりとりと大差のないことですが、おそらく初めての国際送金では戸惑う場面も出てくることでしょう。
たとえ少額であったとしても実際に自分の資産を動かすことによって、海外オフショア投資の基礎知識を身につけることができます。
もし、「どうして香港で投資を始めるのが良いの?」「香港よりもシンガポールの方が良いって聴いたけど・・・」という疑問などを感じられている場合には、別の記事(「香港で投資を始めるための基礎知識を分かりやすく詳細解説」)で香港で投資するメリットやデメリット、香港投資の全体の流れを解説していますので参考にしてください。
まずはHSBC香港の窓口に行って普通・投資口座を開設する
海外オフショア投資では、日本国内で金融機関の口座を作ることと比較すると、銀行に口座を開設することでさえハードルが少し高いです。
全く無知の状態のまま気軽に香港へと出掛け、HSBC香港の窓口で拒絶されてしまい、しょんぼりして日本へと帰国した経験を持つ方も決して少なくありません。
海外オフショア投資を始めるためには、日本語や英語で発信されている情報を可能な限り収集し、万全の準備を整えてからアクションを起こさなければなりません。
HSBC香港では、一般的なお金の預け入れを行う普通口座に加え、小切手が発行される当座、さらには証券会社のように投資が行える投資口座があります。
HSBC香港で個人投資家が開設可能な口座の種類は、この3種類です。
- 普通口座 一般的な預金を行う口座ですが、外貨の預け入れが可能です。
- 当座 日本の銀行システムと同じく小切手の決済に使用される口座です。
- 投資口座 こちらについては中級編で詳しく解説します。
普通口座には預け入れ金額によってグレードが設定されており、手数料やサービスに違いがあります。最初は少額で結構ですが、将来的には高いグレードの口座を目指すことも視野に入れてください。
HSBC香港の普通口座のグレードは、以下の通りです。
口座種類 | 最低総取引残高 | 口座維持手数料 |
ジェイド(Jade) | 780万HKD(約1億1,000万円) | 設定なし |
プレミア(Premier) | 100万HKD(約1,400万円) | 380HKD(5,320円) |
アドバンス(Advance) | 20万HKD(約300万円) | 無料 |
パーソナル(Personal) | 5,000HKD(約7万円) | 無料 |
(引用元:【8月に大幅改定】HSBC香港の口座種類と手数料)
HSBC香港で口座を持つことのメリットや、口座開設のためのアドバイスについてコンパクトにまとめた記事(「HSBC香港の口座を開設するメリットと方法」)を別にご用意していますので、こちらも参考にしてください。
こちらの記事の中でも触れられていますが、限られた短期の香港滞在中に確実にHSBC香港の口座を開設するためには、現地のサポート会社に依頼する方が好ましいです。
適切なサポート会社が見つけられなかった場合や、日本国内で事前に準備をしっかりと整えておきたい場合には、当サイト「お金の窓口」までご連絡ください。
銀聯カード(UnionPay)で日本のATMから現金を引き出す
HSBC香港のキャッシュカードは、銀聯(ぎんれい)カードという中国の中央銀行が主導している国際ブランドが付与されていますので、香港だけではなく日本や香港外でもATMから預金が引き出せます。
銀聯カードは、日本ではUnionPayというブランド名の方が有名かもしれません。
国際ブランドとは、世界に展開するクレジットカードの決済ネットワークのことです。
具体的にはVISA、マスターカード、アメリカンエキスプレス、JCB、ダイナース、そして銀聯を合わせて「6大国際ブランド」と呼ばれています。
みなさんが日本国内で日常的に使っているコンビニやATMなどにもUnionPayのマークが入っていることがあり、ATMでの引き出しに加えてデビットカード決済も可能です。
遠く離れた香港にある銀行の口座に入っているお金ですが、国際ブランドのネットワークによって簡単に使用できることを実感してください。
HSBC香港には複数の種類の口座があることを既にご紹介しました。ATMから預金を引き出す場合には、普通口座に入っている香港ドルの残高が減ることになります。
このあとの中級編で解説すると通り、HSBC香港の口座は複数の外貨預金に対応しているため、口座からお金を引き出したり、送金したりするときには、どの口座の残高から引き落とされるのかを必ずチェックするようにしましょう。
なお、日本のATMから引き出す場合には事前にHSBC香港に対して申請を行っておく必要があるので注意が必要です。一回限りの手続きを済ませれば、あとは自由に使用することができます。
日本の銀行からHSBC香港の自分の口座へ国際送金する
HSBC香港に預け入れたお金がいつでも日本などで引き出したり、デビットカード決済で使用することを確認したら、次は日本からご自身のHSBCの口座へ国際送金をしてみましょう。
日本は世界的にみると独自の商習慣が多い国であるため、国際送金などの国境をまたぐ取引については非常に不便です。
裏を返せば、世界標準の金融サービスを提供しているHSBC香港に口座を持つことによって、世界の金融機関で行われている一般的な取引方法を学ぶことができます。
これまでにオンラインショッピングなどで国際送金を経験されている方にとっては難しいことではありませんが、やはり初めての国際送金である方にとっては慣れずに戸惑うことも多いはずです。
海外のご自身の名義の口座に送金を行うことについて、日本の銀行から様々な質問をされることもありますが、今ではたくさんの体験談や情報がネットに掲載されておりますので、焦らず調べておけば大丈夫です。
日本の銀行は全般的に海外への資金移動については対応が遅れています。メガバンクと呼ばれる大手銀行では送金理由などを詳しく質問されるケースがあります。一方で、地銀を含め中小の銀行では海外送金業務に不慣れなことが多いです。
どちらも一長一短ではありますが、基本的にはメガバンクの方が手続きには慣れているので安心です。また、いわゆるネットバンクの中には国際送金に対応している銀行もありますので、1行でも口座を開いておくと便利です。
なお、HSBCはその信頼感からか、海外の他銀行への送金よりも受け入れられやすい傾向にあるようです。
HSBC香港【中級編】マルチカレンシー口座と投資口座を活用する
HSBC香港の活用術の中級編は、銀行口座からのお金の入出金という最もベーシックな知識を身につけた方が、実際に香港での投資を実践することを目標とします。
あまり過剰な期待をされても困りますので事前に申し上げておきますが、この中級編の段階では、わざわざ香港まで足を運んだことに見合うだけの収益を得る投資は出来ません。
ただし、刃物を使い始めたばかりの頃や、自転車に乗り始めたばかりの頃と同じく、ケガをしやすいのはこの期間です。ひとつずつ慎重に進めるようにしてください。
もちろん、銀行口座の操作を間違ったところで血を流すことはありませんので、失敗から学ぶことも多いですが、口座開設後のアフターサービスもしっかりしている現地のサポート会社がいると不要なミスは避けることができます。
では、海外オフショア投資の中級編として、HSBC香港の活用術の解説を進めます。
手数料にこだわることが海外オフショア投資では超重要!
一般的に「金持ちはケチ」と言われますが、現実的に事業や投資で成功する方の多くが細かなお金にもしっかりと注意を払っています。
香港は日本と比べると金融サービスの手数料が極めて安いですので、細かなお金のことを気にせずに投資をされている方が多いような印象を受けます。
しかし、投資の世界ではどれだけ頑張っても年間に20%弱程度の運用成績しか上げることはできませんので、資産全体に対しては僅か数パーセントの手数料であっても、投資収益ベースでは1割を超えてしまっていることも多いです。
HSBC香港では2019年8月から新たな手数料体系に移行しました。最もグレードの低いPersonalでは約840円だった月々の口座維持手数料が無料に、またひとつグレードの高いAdvanceの約1680円も同じく無料になりました。
僅か数百円や千数百円の手数料ですが、投資家の間では大きな話題となったことからも、やはり香港の金融に携わる投資家は手数料について敏感であることが分かります。
HSBC側の手数料+日本のATM側の手数料
HSBC側の手数料:20香港ドル(約280円)
日本のATM側の手数料:100円前後
→三菱UFJは無料、三井住友銀行は75円
(参考)
三菱UFJ銀行:https://www.bk.mufg.jp/tsukau/atm_con/atm/kaigai_card.html
三井住友銀行:https://www.smbc.co.jp/kojin/tenpo/atm/kaigaicard.html
(引用元:「【8月に大幅改定】HSBC香港の口座種類と手数料」)
HSBC香港の口座維持手数料に加えて、外貨両替手数料や日本のATMでの引き出し手数料、日本から香港への送金時の手数料については、こちらの記事に情報がまとめられています。
それぞれ数パーセントの小さな手数料ですが、しっかりとこだわって投資を行いましょう。
マルチカレンシー口座で複数の国の通貨(外貨)を保有する
HSBC香港の口座のひとつの特徴として説明されることが多いのが、複数の国の通貨を預け入れておくことができるマルチカレンシー口座であることです。
2つ以上の通貨を預け入れられる口座のことを指す金融の世界の一般用語。このような名称の口座の種類があるわけではありませんので誤解の無いようにしてください。
HSBC香港の口座は、なんと12種類(12か国)もの通貨に対応しています。
日本の代表的なマルチカレンシー口座であるみずほ銀行の「みずほグローバル口座」の取り扱いが6種類であることと比較すると、HSBC香港の普通口座には2倍の種類の通貨の預け入れが可能です。
マルチカレンシー口座であるHSBC香港の銀行口座では、以下の12種類の通貨での預け入れが可能です。
- USD アメリカドル
- JPY 日本円
- EUR ユーロ
- GBP イギリスポンド
- HKD 香港ドル
- SGD シンガポールドル
- RMB 人民元
- THB タイバーツ
- CAD カナダドル
- AUD オーストラリアドル
- NZD ニュージーランドドル
- CHF スイスフラン
口座開設時にインターネットバンキングの利用を申請しておけば、日本からでも簡単に口座内で別の通貨を移し替えることが可能です。
海外オフショア投資では為替リスクがネガティブな要因のひとつですが、口座内でワンクリックで様々な通貨へと両替することが可能であることは、資金の回避手段を持つこととなり、為替リスクを軽減する効果があります。
たとえば、円が大きく価値を落としそうなときは、ワンクリックで米ドルやその他の通貨に切り替えられます。
なかには、為替差益を狙って頻繁に通貨を入れ替えようとされている方もいらっしゃるかもしれませんが、現物の資金を口座内で動かしているだけでは満足できるような為替差益を得るといったことは難しいでしょう。あくまで資金の回避手段として考えましょう。
投資口座を通じて世界の投資信託から取捨選択して購入する
HSBC香港で投資口座を開設すると、世界の株式や投資信託を購入することができます。
中級編の中では最も収益性が高く、力を入れていただきたいのが投資信託の購入です。もちろん全ての解説は英語ですので、金融に関わる英語を身につけるのにも最適な教材です。
香港など海外オフショア投資では投資信託は長期の投資の代表格ですので、日本のようなテーマ型や短期配当型ではありません。
投資信託の個別の情報については「モーニングスター香港(英語)」を使用します。
モーニングスターは世界的な投資信託の格付けや情報配信を行う会社で、日本語版もありますが、当然のことながら日本の投資信託の情報しか掲載されていません。香港版には中国語だけでなく英語版もあります。
投資信託は、運用実績や運用規模など見比べるべき指標は決して多くありませんので、英語が苦手だという方であっても数日だけ頑張れば情報を取得できるようになります。
また、最近ではGoogle翻訳などの機械翻訳の精度が上がっていますので、情報を読みこなすのにも時間がかからなくなっています。
HSBC香港で投資信託を初めて購入する方に向けてのアドバイスとしては、日本では話題に上ることが少ない債券(特に国債)が非常に重要な役割を担っていることに注意してください。
香港の投資信託は超長期の運用を基本としているため、短期の運用を目指す日本の投資信託とは性質が異なります。
これを如実に表しているのが債券で、やはり香港の投資信託では利回りが高く価格が比較的安定している債券を積極的に組み込んだ運用を行っているのです。
香港で取り扱われている投資信託については、こちらの記事(「海外から全世界を対象に投資をする方法①海外に証券口座を開設する」)の中でも詳しく解説していますので、いざ投資を始めるときには一度、目を通すようにしてください。
日本と香港の分配方式の違いと、運用利回りの差、そしてリスクの違いについては、冒頭でもご紹介したこちらの記事(「香港で投資を始めるための基礎知識を分かりやすく詳細解説」)で投資シミュレーションを行っていますので参考にしてください。
香港の証券会社に口座を開設してHSBC香港と連携させる
中級編の最後の項目は、HSBCを離れて香港に拠点を置く他の証券会社に口座を開設することです。HSBC香港の口座開設と比較すれば、口座開設そのものは非常にハードルが低いです。
香港を代表するオンライン証券会社のひとつであるBOOM証券は、なんと日本からの郵送による書類の発送で口座を開設することができます。つまり、香港の窓口に出向く必要がありません。
BOOM証券などの香港の証券会社に口座を開設したら、日本の銀行ではなく、HSBC香港からの入金を行ってください。国内同士ですから送金手数料が安く、気軽に資金の出し入れが可能です。
しかし、ここまでを丁寧に読まれた方の中には、前項で「(HSBC香港の投資口座では)世界の株式や投資信託を購入することができます」と書いてあるのに、どうしてわざわざ証券会社に口座を持つ必要があるのかと疑問に感じられた方もいらっしゃることでしょう。
HSBC香港の口座で株式が購入できるのに、どうしてわざわざ香港の証券会社に口座を開くのかというと、売買できる証券取引所の数(株式の数)に圧倒的な違いがあるからです。
金融機関 | 取り扱い市場(マーケット) |
HSBC香港 | アメリカ、香港、中国A |
BOOM証券 | アメリカ、香港、中国A、中国B、日本、韓国、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア |
証券会社の口座は実際に取引を行うかどうかは別として、投資家向けのテクニカル分析が可能なチャートが活用できることに大きなメリットがあります。
中国や東南アジア諸国の証券取引所の個別銘柄の情報を詳しく知るためのツールとしても、BOOM証券の口座は持っておいて損はありません。
香港の証券会社を通じて投資を行うメリットについては、こちらの記事(「香港の証券会社で投資するメリット。日本の証券会社との違い。」)で詳しく解説を行っています。債券についても触れていますので、参考にしてください。
HSBC香港【上級編】アジア投資の金融ハブとして活用する
HSBC香港を活用した海外オフショア投資の解説も、いよいよ上級編へと進みます。
入門編ではHSBC香港の口座を作ってお金の出し入れを行い、中級編ではHSBCの投資口座の活用などの香港内での利用方法を説明しました。
この上級編では、本格的に香港での投資を行って利益を上げるための方法と、さらに香港の外に飛び出して東南アジアのマーケットを狙う戦略について解説いたします。
では、さっそくHSBC香港の活用法の上級編をはじめます。
香港の独立系金融アドバイザー(IFA)と契約して投資する
香港で投資を行う上での王道と言えば、やはり独立系金融アドバイザー(IFA)と契約をして投資信託を購入する長期的な投資戦略の構築です。
IFAにアドバイスをもらいながら、世界中の投資商品に投資したり、時にはIFAに運用する商品を委託することも可能で非常に便利です。
日本人が在籍するIFAもいるため、日本語で相談できる点は安心材料の1つですね。
為替リスクを軽減するHSBC香港の銀行口座
HSBCから直接商品を買う場合だけでなく、IFAを通して投資商品を購入する場合にも、HSBCの利用が可能です。
投資の資金の入金時や出金時にHSBC香港の口座を活用することによって、入金時と出金時の両方で為替リスクを軽減することが可能になります。
入金時
たとえば、IFAを通じて毎月積み立てていく商品を購入した場合、月々の積み立ての引き落とし口座にHSBC香港の銀行口座を使用します。
為替相場を見ながらレートが良いタイミングでまとまった資金を入れることによって、為替差益を狙うことが可能です。
IFAの積み立てには日本の銀行口座やクレジットカードを活用することもできますが、HSBC香港の銀行口座のワンステップを踏むことで少しアグレッシブな投資になります。
出金時
IFAとの契約を終えて投資資金を引き出すときには、HSBC香港を引き出しの指定口座にします。
長期投資を終えた資金の大半は即座に使用目的があるわけではありませんので、HSBC香港に預け入れた状態のまま必要な金額のみを日本で引き出すのが好ましいです。
為替相場を見ながら為替レートが有利なタイミングで大きなお金を引き出すような工夫をすることで、最大で10%以上もの日本円ベースでの違いが生まれます。
はじめからIFAで運用することも選択肢のひとつ
すでに香港での投資経験のある方や、自分で勉強するよりも専門家に委託したい方、仕事がお忙しい方などは、始めからIFAとの契約を行う選択肢も十分に考えられます。
特に年齢が定年の65歳に近い方で老後の資産形成に不安がある方は、遠回りをせずにIFAに委託することをおすすめします。失敗もしながら学ぶ時間や余力がない方ですね。
ただし、はじめての香港での投資がIFAとの契約になる場合には、IFAの選び方について十分に注意する必要があります。
しっかりと香港での投資経験がある方からIFAの紹介を受けるか、身近に適当な人物がいない場合には当サイト「お金の窓口」までご相談いただくことも可能です。
東南アジア(タイ・フィリピン・ベトナム)に証券口座を開設
香港の外、東南アジア諸国での投資ではHSBC香港の銀行口座を上手く活用することができます。
日本から最も近いタックスヘイブンが香港であるなら、日本から最も近い成長マーケットは東南アジアです。
もちろん中国本土も成長マーケットであると見ることができますが、中国については香港の証券会社でカバーすることが可能ですので、ここでは東南アジア投資を検討します。
東南アジア投資の特徴(メリット・デメリット)
メリット | 成長が期待できるマーケットであること |
デメリット | カントリーリスクが高い 金融システムが未成熟あるいは煩雑 |
HSBC香港を活用する理由は、これらのデメリットを可能な限り排除して、成長マーケットであるメリットのみを最大限に活かすことにあります。
なお、東南アジアの株式を売買するだけであれば香港のBOOM証券などの証券会社で十分ですが、情報のスピードや専門性という点では現地の証券会社には遠く及びません。
では、HSBC香港を使用するメリットを確認しながら具体的な手順について解説します。
HSBC香港から外貨を現地証券会社の口座へ国際送金する
東南アジア各国では、証券会社の口座は容易に開設できるものの、銀行の口座を開設することのハードルが高いケースが頻繁にあります。
また、シンガポールを除く東南アジアの銀行は決して利便性が高くありませんので、HSBC香港からダイレクトに現地の証券会社の口座に投資資金を入れることがおすすめです。
このような資金の流れを作ることによって、HSBC香港の以下のような特徴が活かせます。
- 外貨(米ドル、タイバーツなど)での送金が可能
- インターネットバンキングで国際送金が可能
- 送金手数料が安く、送金スピードが早い
既に日本と香港の間での国際送金を経験していますので、第三国同士の国際送金であっても、送金手続きのステップには大差はありませんので安心してください。
日本では現在、海外送金について税務署の監視の目が厳しくなっているのが現状です。頻繁に日本と海外の間の国際送金を繰り返すことによって税務調査が行われる懸念が高まります。
大きな金額の投資を検討している方は特に、日本の銀行を起点とする東南アジア投資は好ましくありません。
なお、国際送金を行うにあたっては通貨ごとに送金手数料や為替レートに大きな違いがありますので、それぞれの証券会社に応じて送金する通貨を上手く使い分けてください。
手数料や為替レートについては中級編で行った経験が活かせるでしょう。
現地証券会社の口座からHSBC香港の外貨口座へ国際送金する
東南アジア各国は、政治状況が不安定であったり、政権は安定していても法律面で改正が頻繁に行われるなど、カントリーリスクが非常に高いことが特徴です。
カントリーリスクとは、特定の国や地域ごとに発生する固有のリスクのことで、主に政治や経済によって発生する相場の変動のことを指します。
このため、運用していない現金を証券会社の口座に入れっぱなしにしておくことは投資リスクを高めることになりますので、余剰資金はHSBC香港に戻す作業をしておくべきです。
また、はじめて使用する東南アジアの証券会社については、入金するだけで安心せず、少額で結構ですのでHSBC香港の口座への出金手続きをテストしてみてください。
せっかく東南アジアでの株式投資でリスクをとって収益を上げることに成功しても、出金に苦労するようでは投資効率が落ちますので、事前に出金の流れを確認する必要があります。
本格的な海外オフショア投資では、高い収益性が期待できる反面、このようなテストのための流れが必要になり、初年度については投資効率が著しく下がるケースが多いです。
とはいえ、効率的な資産運用を検討する時には、成長が期待できるマーケットを無視するわけにはいきませんので、HSBC香港の口座をフル活用して可能な限りのリスクヘッジを行いましょう。
HSBC香港の口座開設から始めるステップアップ投資術まとめ
HSBC香港の銀行口座を設立して、実際に本格的な海外オフショア投資へとステップアップするための流れをご紹介しました。
日本の個人投資家の中には、香港に銀行口座を開設したことに満足されて、銀行口座を活用して何をするのかについては無頓着な方が目立ちます。
香港に銀行口座を持つことによって資産運用の幅が飛躍的に増えますが、その一方では、選択肢が多すぎることに面食らって、次のステップへと進めない方が多いようです。
HSBC香港は世界の投資信託を購入できるなどの機能が充実しているものの、あくまで銀行ですので、いかに上手く活用して資産運用を行うのかが重要です。
IFAを通じた本格的な資産運用や、東南アジア諸国での株式売買など、HSBC香港の銀行口座があることによって手続きがスムーズになり、投資資金の管理が容易になる場面が数多くあります。
完全に日本語環境で情報収集が行える国内投資と比べて、海外オフショア投資では経験の有無が大切になりますので、積極的に情報収集や投資活動を行ってください。
当サイト「お金の窓口」では、香港などの海外オフショア投資を積極的に進める日本の個人投資家の皆さんに対して有益な情報発信を行っていますので、他の記事も参考にしてみてください。